米国の麻しん(はしか)感染者1300人超える、過去最多を更新中
米国の麻しん感染者は2週間前に過去最多を更新。その後も増加し続けている。
ワクチン(Getty-Images)-1.jpg)
米疾病対策センター(CDC)は23日、全国の麻しん(はしか)感染者数が1300人を超えたと明らかにした。
米国の麻しん感染者は2週間前に過去最多を更新。その後も増加し続けている。
CDCによると、全米39州で1319人の感染が報告されている。24年通年の感染者は285人であった。
麻しんは「麻しんウイルス」によって引き起こされる急性の全身感染症。ウイルスの感染経路は空気感染、飛沫感染、接触感染で、ヒトからヒトへ感染が伝播し、その感染力は非常に強い。
免疫を持っていない人が感染するとほぼ100%発症し、一度感染すると一生免疫が持続すると言われている。
CDCによると、感染者の92%がワクチン未接種者または接種状況不明者である。
感染内訳は5~17歳が最も多く、次いで4歳以下となっている。
麻しん、おたふくかぜ、風疹(MMR)ワクチンを2回接種した人の発症割合は4%、1回接種も4%となっている。
CDCはワクチンを2回接種することを推奨しており、1回目は生後12カ月から15カ月、2回目は4歳から6歳の間に接種できる。CDCによると、1回接種で93%、2回接種で97%の麻しん予防効果があるという。
震源地であるテキサス州の感染者は800人近くに達した。同州では今年、ワクチン未接種の子供2人が亡くなっている。2人に基礎疾患はなかった。
テキサス州と隣接するニューメキシコ州でもワクチン未接種の成人が死亡した。
各州政府が義務付けたワクチン接種を受けた幼稚園児の割合は2019ー20年度の95%から、23-24年度には92%に低下した。
CDCによると、全米の幼稚園児約28万人が麻しんワクチンの接種を完了していない。
米国は2000年にWHOの麻しん排除認定を受けたが、この状態が続けば認定取り消しになる可能性がある。