◎米下院は共和党のマージェリー・テイラー・グリーン下院議員を割り当てられた委員(教育委員会と予算委員会)から更迭する決議案を可決した。
◎トランプ前大統領の後継者候補のひとりと伝えられているグリーン氏は、ソーシャルメディアに陰謀論を取り入れた動画を複数投稿し、民主党だけでなく共和党からも非難されていた。
2月4日、米下院は共和党のマージェリー・テイラー・グリーン下院議員を割り当てられた委員(教育委員会と予算委員会)から更迭する決議案を可決した。
投票の結果、共和党員11人が賛成に投票した。(賛成230ー反対199人)
トランプ前大統領の後継者候補のひとりと伝えられているグリーン氏は、ソーシャルメディアに陰謀論を取り入れた動画を複数投稿し、民主党だけでなく共和党からも非難されていた。
ABCニュースによると、グリーン氏は民主党のナンシー・ペロシ下院議長を含む民主党員に対する暴力を支持し、サンディーフック(コネチカット州)とパークランド(フロリダ州)で発生した銃乱射事件は「偽旗作戦」によるものだと主張したという。
さらに、トランプ前大統領が児童虐待を推進する軍産複合体カバール(戦争屋)と秘密の戦争を繰り広げているというQアノン陰謀説に興味を持ち、熱烈なメッセージを拡散することで共和党のニューヒロインに祭り上げられた。
今回の投票は、共和党のケビン・マッカーシー下院少数党首がグリーン氏の更迭を拒否したため、実施された。
グリーン氏は投票に先立ち、同僚たちに身の潔白を訴えた。
「動画は過去のものであり、今の私を表していません、今の私は違います。私の価値観と動画は一致しません」
「私は釈明する機会を与えられたことに感謝しています。私は心から神を信じています。謙虚になり、自分が罪人であり、イエスが死んだことを思い出させてくれてとても感謝しています。私は十字架を背負い...」
「9.11同時多発テロと学校での銃撃事件は現実であり、失われた命、すべての子供、家族に哀悼の意を表します」
「完璧な人間などこの世にいません。私たちは誰もが完璧ではありません」
投票後、ペロシ下院議長はマッカーシー氏がグリーン氏を委員から更迭しなかったことについて、「ひねくれている」と述べた。
ナンシー・ペロシ下院議長:
「共和党は速やかにグリーン氏を委員から外すべきだった。彼らには投票で更迭される意味を理解してほしい。議員は委員会に責任を持たなければならない」
ペロシ下院議長は行動(投票決議案の提出)を起こした民主党員を擁護したうえで、不祥事を起こした人は責任を取らなければならないと強調した。
「民主党員が誰かの安全を脅かしたら、委員会から外れるだけでなく、何らかの処分を受けることになるだろう。不祥事を起こした人は自分で責任を取る。暴力を扇動したら責任を取る。それだけだ」
マッカーシー氏は2日夜の会合でグリーン氏とこの問題について話し合ったが、自ら行動することに反対した。
また、マッカーシー氏はグリーン氏を委員会から外すという民主党の要求を拒否しただけでなく、「グリーン氏を中小企業委員会に新たに加えるという提案を民主党に拒否された」と反論した。
一方、グリーン氏は動画のコメントを否定してはいないが、ツイッターに投稿した声明の中で、「第三者が自分のアカウントをのっとり、悪用した」と主張している。
共和党のミッチ・マコーネル上院少数党首は、新入生下院議員の「愚かなウソと陰謀論」を爆破する珍しい声明を1日に発表した。
ABCニュースによると、猛批判に直面したグリーン氏は3日夜に開催された共和党の会合で過去の問題発言を謝罪したという。
グリーン氏は1月30日のツイートで、「私は後退しません。私は決して謝罪しません。そして私は常に市民のために戦い続けます」と力強く語っていた。
更迭が決まった後、グリーン氏は「5日の午前11時に記者会見します。またね」とツイートした。
I'll be holding a press conference tomorrow at 11 AM. See you there.
— Marjorie Taylor Greene 🇺🇸 (@mtgreenee) February 5, 2021