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マッチングアプリで出会った男性2人殺害、34歳男逮捕 米カリフォルニア州

検察は容疑者を2件の殺人罪と殺人未遂罪で起訴した。
パトライトと規制線(Getty Images)

マッチングアプリで出会った男性2人を殺害したとして、34歳の男が逮捕された。カリフォルニア州の捜査当局が8日、明らかにした。

それによると、同州在住のロッキム・プロウェル(Rockim Prowell)容疑者は2021年と23年にマッチングアプリで知り合った男性2人を殺害し、もう1人を殺害しようとした罪に問われている。

検察は容疑者を2件の殺人罪と殺人未遂罪で起訴した。

捜査当局によると、3人目の被害者も今年2月に同じアプリで容疑者と知り合った。

被害者は容疑者に縛られた後、野球のバットで殴打されたが、なんとか逃げ出すことに成功したという。

ロサンゼルス郡の地方検事は声明で、「被害者たちが、ある目的で会うと約束し、不可解な暴力に直面した恐怖を想像してみてください」と述べた。「これは生命を完全に軽視した捕食的な行為です...」

検察によると、容疑者は殺害した男性2人の車を盗み逃走したとみられる。

当局は容疑者の認否を明らかにしていない。

米国ではマッチングアプリの利用が急速に普及し、出会いの形が多様化した一方で、事件や危険性も増加している。

まず、代表的な問題は性的暴行や強盗、殺人といった凶悪犯罪に発展するケースである。

加害者が偽名や偽のプロフィールを用い、被害者を個人的に会う場へ誘導することが多く、特に若年層や女性が狙われやすい。

次に詐欺の横行が深刻であり、「ロマンス詐欺」や「投資詐欺」が頻発している。

加害者は親密な関係を装って信頼を得た上で、金銭を騙し取る。暗号資産や送金アプリを利用した新しい形態の被害も目立つ。

また、ストーキングや個人情報の悪用も大きな危険である。位置情報の共有や写真のメタデータなどを通じて居場所を特定され、執拗な追跡や嫌がらせにつながることがある。

さらに、薬物犯罪との関連も指摘され、アプリを介してドラッグの取引が行われたり、デートの場で薬物が使用される事件もある。

加えて、未成年者が年齢を偽って利用し、性的搾取や人身売買に巻き込まれるケースも問題化している。

これらの危険性に対して、警察当局や司法は注意喚起を行い、アプリ運営側も本人確認強化や不審ユーザーの監視を進めているが、匿名性や国境を越えた利用環境により限界がある。

結局、利用者自身がリスクを理解し、初対面では公共の場を選ぶ、過度に個人情報を共有しないといった自衛策が不可欠となっている。

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