米ロサンゼルス市長選キャンペーン始まる、ホームレス問題や山火事が焦点
2026年6月2日の予備選挙に向けて立候補の受付は間近で、すでに複数の候補が名乗りを上げている。
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米カリフォルニア州ロサンゼルスで市長選キャンペーンが本格的に幕を開けた。現職のカレン・バス(Karen Bass)市長(民主党)は在任1期目の実績とともに多くの課題を抱えたまま再選を目指す苦しい戦いに臨んでいる。バス氏はロサンゼルスで初の黒人女性市長として2022年に当選したが、庁舎運営に対する不満や、市内で続く諸問題を巡る批判が強まっている。
2026年6月2日の予備選挙に向けて立候補の受付は間近で、すでに複数の候補が名乗りを上げている。IT起業家で非営利団体創設者のアダム・ミラー(Adam Miller)氏、リアリティ番組出演者で2025年の大規模山火事で自宅を失ったスペンサー・プラット(Spencer Pratt)氏などが出馬を表明しているほか、市議会議員のニシア・ラマン(Nithya Raman)氏も直前に出馬を決めた。ラマン氏は住宅価格高騰やホームレス問題、安全保障、都市インフラ整備などを主要課題に掲げ、現市政への批判を強めている。
今回の選挙戦はロサンゼルスおよそ400万人の住民が抱える深刻な問題が背景にある。住宅費や税金、生活必需品の価格上昇に対する不満が広がる一方で、道路の老朽化や清掃の遅れなど市サービスの低下も指摘されている。また、国内情勢の影響もあり、連邦政府による移民取締りの強化に対して市内で不安と抗議が広がったことも争点の一つとなっている。
長年にわたるホームレス対策も選挙戦の焦点だ。市当局の発表では、路上ホームレス人口にわずかな減少が見られるとの報告もあるが、路上キャンプは依然として市内各地で散見され、地域住民の不満は根強い。バス氏はホームレス対策や治安改善、都市改良計画を積極的に打ち出し、2028年ロサンゼルス五輪に向けた都市整備を進めるビジョンを示しているが、これに期待を寄せる声と批判の声が入り交じっている。
さらに、ロサンゼルスを襲った2025年1月の大規模火災も選挙戦の重要な争点となっている。この山火事は高級住宅街を中心に甚大な被害をもたらし、多くの死者と広範囲の破壊を引き起こした。火災対応や復旧の遅れを巡り、バス市政に批判が集中しており、特に火災発生時に市長が国外出張していたことや消防当局の報告への関与を巡る論争が影響しているという指摘もある。
候補者間の論戦はこれから本格化し、市民の生活実感に根差した政策論争が展開される見込みだ。伝統的に無党派の予備選制度が採られるロサンゼルスでは上位2名が本選に進むため、票の分散が結果を左右するとみられる。専門家らは住宅、治安、ホームレス対応といった都市固有の課題に加え、経済や治安など幅広いテーマが有権者の判断材料になると分析している。
