生涯にわたるアルコール摂取で「大腸がん」リスクが上昇
この研究は「米国癌学会(AACR)」の査読付き専門誌「Cancer」で発表され、長期的な飲酒習慣と大腸がん発症との関連が明らかになった。
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米国の研究で生涯にわたる大量のアルコール摂取が大腸がんリスクを大幅に高める可能性が示された。この研究は「米国癌学会(AACR)」の査読付き専門誌「Cancer」で発表され、長期的な飲酒習慣と大腸がん発症との関連が明らかになった。
研究は米国でがんの既往歴がない成人約8万8000人を対象とし、青年期からの飲酒習慣について自己申告を基に追跡した。平均して週14杯以上のアルコールを長年にわたり飲み続けた人は、生涯を通じて週1杯以下しか飲まなかった人と比べ、全体の大腸がんリスクが約25%高いことが分かった。また、直腸がんに限るとリスクはほぼ2倍近くに達した。
消化器内科専門医は、アルコールが大腸や直腸の細胞に対してダメージや修復能力の低下を招くと説明し、「長い期間飲酒を続けるほど、これらの部位が有害な影響を受ける時間が長くなる」と指摘している。
さらに、研究では一生の間ずっと高い飲酒量を維持していた人々の間では、がんリスクの上昇がさらに顕著であることも示された。一貫して大量飲酒を続けた場合、生涯軽度の飲酒者や間欠的にしか大量飲酒をしていない人と比べて、大腸がんのリスクは最大で約91%高まったという。
一方で、飲酒をやめた人では前がん状態の組織(腺腫)の発生率が軽度飲酒者に近いレベルまで低下する傾向が観察された。腺腫は将来的にがん化する可能性のあるポリープであり、「飲酒習慣を減らしたり中止することがリスク低減につながる可能性がある」との見方も示されている。
米国では大腸がんの発症が増加傾向にあり、特に50歳未満の若年層での直腸がん増加が目立つ。専門家は、この背景には飲酒以外にも生活習慣や食事、肥満など複数の要因が絡んでいる可能性があると指摘しつつも、「アルコールが大腸の下部に及ぼす影響を解明することが、これらの増加傾向を抑える鍵になるかもしれない」としている。
アルコールは既に、世界保健機関(WHO)の国際がん研究機関(IARC)によって「人に対する発がん性がある」と評価されており、がんリスクに関しては飲酒量を減らすことが最も確実な予防策であると強調されている。
医療機関のガイドラインでは、大腸がん検査を45歳から開始することが推奨されているが、長期的な大量飲酒歴がある場合は、より早期からの検査や頻度の高い検査を検討する必要があるとの助言もある。症状としては便潜血、持続的な排便習慣の変化、腹痛などが挙げられ、これらが現れた場合には専門医の診察を受けることが重要だとしている。
