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米カンザス州の公立学校が冬休み前倒し、感染症拡大受け

この措置は学校コミュニティ内で急速に広がっている感染症を受けたものであり、さらなる感染拡大を防ぐ狙いがある。
米カンザス州カンザスシティ(Getty Images)

カンザス州デクスターにある公立学校デクスター・スクールが例年より3日早く冬休みに入ることを決定した。

同校は12月15日に生徒と教職員を早期下校させ、1月5日までの長期休暇に入る予定である。この措置は学校コミュニティ内で急速に広がっている感染症を受けたものであり、さらなる感染拡大を防ぐ狙いがある。

同校のフェイスブックアカウントに投稿された声明では、「現在、非常に多くの病気が発生しており、ものすごい速度で広がっている」として、感染状況を懸念する見解が示された。

また、「生徒や教職員の体調不良だけでなく、このまま休暇に入った際に生徒が拡大家族(祖父母ら)に病気を持ち込んでしまうことも避けたい」として、早期の冬休み開始を決断したと説明した。

同校の学区管理責任者によると、この学校は幼稚園から高校まで一貫で、生徒数は約300人。15日朝の時点で生徒の約25〜35%が欠席していた。15日の午前9時までに40〜50家族から「子どもが体調を崩している」との連絡が寄せられたと述べ、「電話がひっきりなしに鳴った」という。

咳や鼻づまり、発熱のほか、嘔吐や下痢、全身の痛み、重い頭痛、気管支炎、溶連菌感染症(strep throat)などが報告されている。また、一部では呼吸器合胞体ウイルス(RSV)やインフルエンザと診断された生徒もいる。

学校のウェブサイトによると、インフルエンザA/B、RSV、溶連菌A、コロナウイルスの無料検査が提供されており、これらの感染症の有無を調べることができる。

一方でカンザス州全体の呼吸器系疾患の発生率は、疾病対策センター(CDC)のデータでは低水準にあるとされる。全国的にも急性呼吸器疾患で医療機関を訪れる人の数は少なく、コロナの活動も低レベルで推移している。ただし、季節性インフルエンザの活動は多くの地域で増加傾向にあり、RSVも特定地域で増えているとの報告がある。

デクスター・スクールはウィチタ市の南東約100キロ、オクラホマ州との州境に近い地域に位置している。

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