◎バイデン氏は21日午後、大統領選から撤退すると表明した。
ハリス副大統領(左)とトランプ前大統領(Getty Images)

バイデン(Joe Biden、81歳)大統領が秋の大統領選から撤退すると表明してから数時間後、ハリス(Kamala Harris、59歳)副大統領は民主党を結束させるため、議員らに電話をかけまくっているようだ。

ABCは関係筋の話しとして、「ハリス氏はこの数時間、電話をかけ続けている」と報じた。

バイデン氏は21日午後、X(旧ツイッター)に声明を投稿。「残りの任期は職務を全うすることだけに専念する」と表明した。

さらにバイデン氏は別の投稿で、「カマラが党の大統領候補になることを全面的に支持する」とした。

多くの民主党員がバイデン氏では選挙に勝てないと懸念を示し、選挙戦から撤退するよう求めていた。

先週のトランプ(Donald Trump)前大統領銃撃事件以来、バイデン氏に撤退を求める声は高まり続けていた。

先月のTV討論会で精彩を欠いたバイデン氏は現在、コロナ感染を受け、デラウェア州の自宅で隔離中。オンラインで業務に当たっている。

AP通信によると、バイデン氏は撤退表明後、上院のシューマー(Chuck Schumer)院内総務ら民主党の複数の議員と電話で話したという。

ハリス氏はバイデン氏の撤退表明からまもなく、大統領選に参戦する意向を表明した。

一方、人工妊娠中絶に反対する主要団体ナショナル・ライト・トゥ・ライフはハリス氏が勝利を誓った後、同氏を「過激な中絶支持者」と呼び、全国のキリスト教徒にトランプ氏を支持するよう呼びかけた。

同団体の代表は声明でハリス氏を激しく非難した。「カマラ・ハリスは過激な中絶支持者であり、貴重な胎児の命を消耗品とみなしている。彼女は無制限の中絶を推進し、女性とその胎児を支援する州法を批判しながら全米を巡回しているのだ...」

民主党全国委員会は21日、「ハリス勝利基金」と「ハリス行動基金」という名称に変更された共同募金委員会を修正する案を提出した。

これらの委員会は「バイデン勝利基金」と「バイデン行動基金」と呼ばれ、単に名称を変更するだけである。その資金はハリス氏の陣営が引き継ぐことになる。

ハリス勝利基金の7月時点の手元資金は4000万ドル、ハリス行動基金は2300万ドルとなっている。

ABCによると、ハリス氏は大統領候補を目指すと表明してからこの数時間、民主党議員、知事、党幹部、公民権指導者など、数十人に電話をかけ、少なくともあと半日はその他大勢に電話をかけ続ける見通し。

ハリス氏とトランプ氏の一騎打ちになった場合も浮動票が勝敗を左右することになる可能性が高い。

最新の世論調査によると、バイデン氏はトランプ氏に1~2%の遅れをとっていたが、ハリス氏は1~3%トランプ氏をリードしている。

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