◎ジョー・バイデン大統領に移民問題の解決を指示されたハリス副大統領は共和党の激しい非難に直面しており、先日の中米歴訪中に国境付近を視察しなかったことで、一部の進歩的な民主党員からも批判された。
米主要メディアによると、カマラ・ハリス副大統領はアメリカとメキシコの国境地帯で発生している移民問題を受け、6月25日に初めて現地を訪問する予定だという。
ハリス副大統領の上級顧問、シモーン・サンダース氏は声明の中で、「副大統領は政府を代表してテキサス州エル・パソを訪問する」と述べた。
ジョー・バイデン大統領に移民問題の解決を指示されたハリス副大統領は共和党の激しい非難に直面しており、先日の中米歴訪中に国境付近を視察しなかったことで、一部の進歩的な民主党員からも批判された。
ハリス副大統領は移民問題の解決には経済と生活条件の改善が欠かせないと述べ、中米の指導者や団体への働きかけを継続している。
ハリス副大統領は以前の演説で、「グアテマラ、エルサルバドル、ホンジュラス、メキシコの人々に希望を与えることを目指している」と述べた。「将来に希望が持てれば、家を離れようとは思いません...」
ホワイトハウスによると、ハリス副大統領の努力は国境検問所の移民急増問題に頭を悩ませている当局の安全保障問題とは関係ないという。しかし共和党と一部の専門家は、「バイデン大統領とハリス副大統領は国境危機の対処に失敗したことを認めたくないため、訪問を拒否している」と非難した。
AP通信によると、一部の下院共和党員、テキサス州のグレッグ・アボット州知事、そしてドナルド・トランプ前大統領も今月末頃までに国境を視察する予定だという。
ハリス副大統領は今月初めの南米旅行でグアテマラとメキシコの大統領と会談し、移民希望者に対する経済的および人道的解決策について協議した。
ハリス副大統領は記者会見の中でNBCニュースに「国境を訪問しなかった理由」を尋ねられ、「私はヨーロッパに行ったことがない」と答え、ジャーナリストを打ち負かした。その後、ハリス副大統領とホワイトハウスの補佐官は訪問を拒否した理由とNBCの質問に対する回答の真意を繰り返し問われる事態に陥った。
ハリス副大統領は「壮大な(無意味な)ジェスチャーではなく、結果に焦点を合わせている」と述べたが、訪問する可能性もあると示唆していた。
テキサス州エル・パソのフォートブリス軍事基地にある移民収容施設のひとつは、収容された数千人の子供に対する虐待的な扱いで人権団体や支持者から批判を受けている。
ホワイトハウスのジェン・サキ報道官は22日の定例会見で、「今回の訪問は副大統領の事務所、国土安全保障省、保健社会福祉省間で調整されたものであり、状況の管理に向けた努力のひとつ」と述べた。
またサキ報道官は、「国境はアレハンドロ・マヨルカス国土安全保障長官の管理下に置かれている」と強調したうえで、「副大統領を含む政府のすべての構成要素が問題に関与している」と付け加えた。
国境警備局によると、5月にメキシコ国境で発生した移民希望者関連の事件(不法入国など)は18万件を超えたという。
事件の急増を受け、一部の中道派もハリス副大統領に地域の現状を視察し、問題解決に向けた行動を強化しなければならないと促した。
テキサス州選出の民主党員、ヘンリー・クエラ下院議員はハリス副大統領に宛てた書簡の中で、「進行中の人道的危機を自分の目で確認し、問題点と問題解決に向けた努力を国民と共有してください」と述べた。「地元の利害関係者や住民と話し、彼らの懸念を理解し、彼らが直面している問題をより効果的な政策に反映し実施することが重要だと私は信じています...」
クエラ下院議員は23日のツイートでハリス副大統領の訪問計画を歓迎した。
4月に実施されたAP通信の世論調査によると、この問題に関するバイデン政権の支持率は、反対が賛成を上回ったという。
テキサスの壁を建設したトランプ前大統領は、現地でこの問題に関する何かしらの演説を行うと期待されている。
サキ報道官はハリス副大統領の訪問日について、「政府内で評価を行い、決定した」と述べた。