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米国2026年2月雇用統計、9.2万人減、市場予想大きく下回る

今回の統計では複数の産業で雇用が減少した。
米ニューヨーク市のカフェ(Getty Images)

米国で労働市場の減速を示す予想外の結果が明らかになった。労働省が6日に公表した2026年2月の雇用統計によると、非農業部門の雇用者数は前月から約9万2000人減少した。市場では約5万~6万人の増加が見込まれており、雇用が減少した今回の結果はエコノミストの予想を大きく下回った。失業率は1月の4.3%から4.4%に上昇し、労働市場に弱さが表れ始めている可能性が指摘されている。

今回の統計では複数の産業で雇用が減少した。特に医療分野では約2万8000人の雇用が失われ、これまで雇用拡大を支えてきた分野で大きな落ち込みが見られた。背景には医療従事者による大規模なストライキがあり、病院や診療所などで人員が減少したことが影響したとみられる。さらに製造業では約1万2000人、建設業では約1万1000人の雇用が減少したほか、運輸や倉庫業、飲食業、専門サービスなどでも減少し、幅広い分野で雇用の弱さが確認された。

1月の雇用統計では約12万6000人の雇用増が報告されていたが、今回の発表では過去のデータも修正され、2025年12月と2026年1月の雇用者数は合計で約6万9000人分下方修正された。これにより、直近数カ月の雇用拡大の勢いは当初の見方より弱かったことが明らかになった。

雇用減少の背景には複数の要因があるとみられている。医療分野のストライキに加え、冬の寒波による建設や物流の停滞、企業が採用に慎重になっていることなどが影響した可能性が指摘されている。また、中東情勢の緊張によるエネルギー価格の上昇など、国際情勢も企業の経済見通しに影響を与えているとみられる。

賃金については、平均時給が前年同月比で約3.8%上昇、賃金の伸び自体は続いている。ただし、雇用者数の減少と失業率の上昇が同時に起きたことで、労働市場がこれまでの強さを失いつつあるのではないかとの懸念も広がっている。

2月の雇用統計は連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策にも影響を与える可能性がある。雇用の弱さが続けば景気を下支えするための利下げ圧力が強まる可能性がある一方で、エネルギー価格の上昇などによるインフレ懸念も残っている。労働市場はこれまで米経済の堅調さを支える重要な柱とされてきただけに、今後の雇用動向と金融政策の行方に市場の関心が集まっている。

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