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米ジェットブルー便と米空軍給油機がミアミス、ケガ人なし

当該便はキュラソーを離陸後、高度約3万3000フィート(約1万メートル強)付近を巡航へ向けて上昇していたところ、前方に米空軍の給油機が同高度で接近してくるのをパイロットが視認した。
米格安航空会社ジェットブルーの旅客機(Getty Images)

カリブ海のキュラソーからニューヨーク・JFK空港に向かっていたジェットブルー航空の定期便(エアバスA320型機)が12日、離陸後の上昇中に米空軍の空中給油機に接近する危険な状況となり、機長が上昇を一時停止して衝突を回避した。現地メディアが14日に報じた。

それによると、軍用機が同一高度で進路を横切ったため、ジェットブルー機は急遽対応を迫られたという。

当該便はキュラソーを離陸後、高度約3万3000フィート(約1万メートル強)付近を巡航へ向けて上昇していたところ、前方に米空軍の給油機が同高度で接近してくるのをパイロットが視認した。パイロットは無線で「空中衝突する」と述べ、「我々の飛行経路の真ん中を通過した」「トランスポンダー(位置送信装置)がオンになっていない」と強い驚きを表明したとされる。両機は3~5キロメートル程度の至近距離にまで接近したと伝えられている。

ジェットブルー航空の広報担当はABCニュースの取材に対し、この出来事を連邦当局に通報し、調査に協力すると述べた。また機長が適切な手順で状況に対処し、迅速に報告したことに感謝の意を示した。

米空軍はコメントは出ていない。ジェットブルー機はその後通常の運航を続け、事故や負傷者は報告されていない。

このインシデントはカリブ海周辺の空域における米軍機の動きが活発化している時期に起きた。米軍はこの数カ月、麻薬取締作戦やベネズエラ政府への圧力強化の一環として同地域での活動を増やしており、戦闘機や監視機を含む軍用機の飛行が増加しているとの指摘がある。こうした背景の下、国際機関や各国の航空当局は、民間機と軍用機の分離や航空交通管理の強化を求める声を強めている。

米連邦航空局(FAA)やキュラソーの管制当局は、この種の“未確認航空機”について注意喚起を出しており、民間航空機に対して安全確保のための注意深い航行を促している。今回の件を受け、関係当局は当時の状況の調査を進める見込みである。

今回の出来事は軍民混在空域での安全管理の重要性を改めて浮き彫りにしており、運航の安全性確保に向けた航空界全体での取り組みが求められる。

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