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米国2026年2月インフレ率2.4%、市場予想と一致


2月末に始まったイランを巡る軍事衝突によって状況は変わりつつある。
米ニューヨーク州のスーパーマーケット(Getty Images)

米国の2026年2月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比2.4%増となり、1月と同じ水準となった。エネルギーや食品を除いたコアインフレ率も2.5%で前月と同水準、物価上昇は依然として落ち着いた動きを示している。ただし、この統計は米国とイスラエルによるイラン攻撃が始まる前の経済状況を反映したもので、今後はエネルギー価格の急騰によりインフレ圧力が強まる可能性が指摘されている。

2月のCPIは前月比で0.3%上昇し、市場予想とほぼ一致した。住居費や医療サービスなどの価格は緩やかな上昇を続けた一方、ガソリン価格は前年と比べると低い水準にあり、全体の物価上昇を抑える要因となっていた。衣料品や家庭用品など、関税の影響を受けやすい輸入品では価格上昇が見られたが、全体としては大きなインフレ加速は確認されなかった。)

しかし、2月末に始まったイランを巡る軍事衝突によって状況は変わりつつある。中東の主要なエネルギー輸送路であるホルムズ海峡周辺の緊張が高まり、原油供給への懸念から石油価格が急騰した。米国内のガソリン価格は戦闘開始前の1ガロン約2.98ドルから、3月初めには3.48ドル前後まで上昇した。

原油価格の上昇は輸送費や電力料金、食品価格など幅広い分野に波及する可能性があり、エコノミストの間では今後数カ月でインフレ率が再び上昇するとの見方が広がっている。原油価格が10%上昇した場合、先進国のインフレ率を0.1〜0.35ポイント押し上げる可能性があるとの試算もある。

こうした状況は金融政策にも影響を与えそうだ。連邦準備制度理事会(FRB)はこれまでインフレ鈍化を背景に将来的な利下げの可能性を検討していたが、エネルギー価格の上昇が続けば物価上昇圧力が再燃する恐れがあり、政策判断はより慎重になるとみられている。専門家の多くは、当面は金利を据え置きながら情勢を見極める可能性が高いと指摘している。

今回のインフレ統計は地政学的な衝突が本格化する直前の経済状況を示す「基準点」としての意味合いが強い。エネルギー市場の混乱が長引けば、ガソリンや物流費の上昇を通じて家計の負担が増し、米国経済の先行きにも不透明感が広がる可能性がある。今後発表される3月以降の物価統計が、戦争によるエネルギーショックの影響をどの程度反映するのかが大きな焦点となっている。

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