米国2025年12月インフレ率2.7%、FRBが試練に直面
この結果は、物価の高止まりが続くことを示し、FRBの金融政策運営に新たな難題を突きつけている。
.jpg)
米国の2025年12月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比2.7%と予想通り横ばいで推移し、25年7月以来の低水準とはいえ、依然として連邦準備制度理事会(FRB)が掲げる2%の目標を上回っていることが明らかになった。この結果は、物価の高止まりが続くことを示し、FRBの金融政策運営に新たな難題を突きつけている。
高価格が目立つ品目としては、コーヒーや牛肉などが引き続き上昇している一方で、一部の卵やガソリン、使用済み車両価格などは低下傾向にあり、全体として物価上昇圧力の一部緩和を示す指標も見られる。しかし、住宅費や食品など生活必需品の価格は依然として家計の重荷となっている。
こうしたインフレ情勢は、雇用の伸び悩みや経済成長の鈍化と併せてFRBにとって厄介な環境を作り出している。FRBは昨年、3回連続で政策金利を引き下げたものの、インフレ率が目標を下回るまで低金利政策を続けるかどうかについては慎重な姿勢を崩していない。今後の利下げはさらなるデータを踏まえて判断される見通しであり、FRBは「様子見」の姿勢を維持する可能性が高いとの見方が強い。
こうした経済指標の発表の直後、司法省(DOJ)がFRBのパウエル(Jerome Powell)議長に対する刑事捜査を進めているとの報道が金融市場と政策議論に波紋を広げている。司法省は25年6月に行われた議会証言でのFRB本部改修工事に関する発言が虚偽だった可能性を調査しており、パウエル氏に大陪審の召喚状を送付したと伝えられている。捜査は税金の無駄遣いに対する調査の一環だと司法省は説明しているが、その狙いが政策決定への圧力であるとの批判も強まっている。
パウエル氏はこの捜査について、公の場や動画声明で、政治的動機による圧力でありFRBの独立性を損なうものだと反発している。これに対して経済学者や元FRB議長など超党派の専門家グループも、中央銀行の政治的独立性を守る重要性を訴え、今回の捜査に強い懸念を示す声明を発表した。
トランプ(Donald Trump)大統領はこれまでFRBに対して大幅な利下げを求め、政府と中銀の関係が緊張する構図が鮮明になっている。トランプ政権は今回の捜査について直接関与を否定しているが、政策論争は今後も激しさを増す可能性がある。市場ではこの捜査がFRBの独立性に対するリスク要因として注目され、国債利回りの上昇やドルの不安定な動きにつながるなど、金融市場への波及効果も出ている。
インフレが依然として目標を上回る中で、FRBは物価安定と雇用最大化という二つの使命のバランスをどう取るかという難題に直面している。今後の政策判断は最新の経済指標や労働市場の動向、そして政治的な圧力との兼ね合いを受けて慎重に進められる見込みであり、米経済の先行きに対する不透明感は依然として強い。
