◎下院民主党は1月13日に弾劾決議案を提出し、投票を行う予定。
◎ニューヨーク・タイムズによると、12日時点で共和党上院議員20人がトランプ大統領の有罪(弾劾)を受け入れたという。ただし、弾劾決議案で賛成に票を投じるかどうかは定かではない。
◎共和党のミッチ・マコーネル上院院内総務も、トランプ大統領の弾劾決議案を個人的に認めたと伝えられている。
1月12日、米下院はマイク・ペンス副大統領と政権閣僚に憲法修正第25条の発動を求める決議案を可決した。(賛成223ー反対205)
ただし、この法案は拘束力を持たない決議である。
同日、ペンス副大統領は修正25条を発動しないと民主党のナンシー・ペロシ下院議長に伝えている。
憲法修正第25条第1節には、「大統領を職務から排除する、あるいは死または辞任した場合、副大統領が残りの任期を務める」と記されている。
民主党のジェイミー・ラスキン下院議員は記者団に対し、「彼は大統領を選出するプロセスと民主主義を擁護していない。彼は政権交代を尊重していない。彼は暴動、侵略、敵意からアメリカを保護していない」と述べた。
共和党のアダム・キンジンガー下院議員、ジョン・カトコ下院議員は賛成に投じたと伝えられている。
同じく共和党のリズ・チェイニー下院議員(ディック・チェイニー前副大統領の娘)も、トランプ大統領の弾劾に賛成したと述べた。
リズ・チェイニー下院議員:
「米国大統領による共和党への裏切り、憲法への宣戦布告を許すことはできない。彼は暴徒を召喚し、彼らの憎悪に火をつけ、暴動を煽った」
一方、修正25条を拒否したペンス副大統領は声明の中で、「私は憲法上の権限を超えて行使された圧力に屈しなかった。私は下院の政治ゲームには屈しない」と述べている。
下院民主党は1月13日に弾劾決議案を提出し、投票を行う予定である。
ニューヨーク・タイムズとABCニュースによると、共和党のミッチ・マコーネル上院院内総務は、「トランプ大統領が弾劾可能な犯罪を犯したと信じており、民主党の弾劾決議案を個人的に認めた」という。
ただし、マコーネル氏は弾劾決議案に賛成するかどうかを明らかにしておらず、同氏のスポークスマンも取材には一切応じていないと伝えられている。
トランプ大統領を有罪(弾劾決議案可決)にするためには、上院の3分の2の賛成を得なければならない。つまり、少なくとも17人の共和党上院議員がトランプ大統領の弾劾を認め、賛成に投票する必要がある。
ニューヨーク・タイムズによると、12日時点で共和党上院議員20人が有罪を受け入れたという。ただし、賛成に投じるかどうかは定かではない。なお、トランプ大統領は2024年の大統領選挙に出馬すると発言しているが、弾劾裁判の結果次第では、立候補を禁止される可能性もある。
1月6日の暴動以来雲隠れしていたトランプ大統領は、12日にテキサス州アラモの国境の壁を見学し、記者団の前で記念碑に自筆のサインを残した。
トランプ大統領は声明の中で、「私たちは暴力を望んでいません。決して暴力は望んでいません」と述べた。
ドナルド・トランプ大統領:
「民主党の弾劾決議案は政治史上最大の魔女狩り、ばかげています。本当にばかげています」
「私の移民政策が覆された場合、文書化されていない不法移民の波がアメリカを飲み込むでしょう。しかし、次の政権は壁を撤廃できません。ジョー・バイデンは既存の障壁を解体せず、さらなる建設を中止するだけでしょう」
「密輸業者と不法移民はアメリカの政策が緩められたり削除されたりする時を伺っています。ジョー・バイデンが壁を撤廃すれば、アメリカは不法滞在者の国になるでしょう」
連邦捜査局(FBI)によると、1月6日の暴動に関わった170人を特定し、これまでに70人を起訴したという。当局者は、さらに数百人が起訴されると予想しており、扇動と陰謀で有罪判決を受けた者は最大20年の懲役を言い渡される可能性があると述べた。
暴動に関わった者の写真や動画はソーシャルメディア上に拡散されており、FBIはひとり残らず起訴すると強調した。
また、調査の結果、ワシントンD.C.の政党事務所近くで2つのパイプ爆弾が発見されたという。FBIは、「爆弾には点火装置とタイマーが搭載されていた」と発表した。
さらに、アメリカの主要メディアは、「バージニア州のFBI事務所は、過激派がワシントンD.C.議会議事堂の下のトンネル地図を共有していたことを確認した」と報じている。
1月6日の暴動で警察官1人を含む計5人が死亡した。
FBIは亡くなった議会議事堂の警察官、ブライアン・シックニック氏について、「襲撃中の違法行為で負傷し、死亡した」と報告している。