IMF、2026年世界経済成長率予測3.3%に上方修正、AI投資が牽引
IMFは世界経済の底堅さを評価しつつ、依然として不確実性やリスクが存在すると指摘している。
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国際通貨基金(IMF)は19日、最新の「世界経済見通し」で、2026年の世界経済成長率予測を3.3%に上方修正した。昨年10月の予測(3.1%)から0.2ポイントの引き上げとなり、2025年の見通し(3.3%)と同水準となった。IMFは世界経済の底堅さを評価しつつ、依然として不確実性やリスクが存在すると指摘している。
最新の見通しによると、世界経済は主要国による保護主義的な貿易政策や地政学的な緊張が続く中でも、予想以上の回復力を示している。その要因として、人工知能(AI)関連の投資拡大が成長を押し上げていることが挙げられる。特に北米やアジアでのテクノロジー投資が顕著で、これが貿易摩擦などの逆風を部分的に相殺した格好だという。
IMFは見通しについて、世界経済が「顕著なレジリエンス(回復力)を維持している」と説明した。AI関連投資の恩恵により米国経済の成長見通しが引き上げられ、2026年の米国の成長率は2.4%と予測されている。これは前回予測の2.1%から0.3ポイント上昇し、技術投資の活発化が底支えしている。
中国経済についても見通しが改善された。IMFは中国の2026年の成長率を4.5%と予測し、昨年10月の予測(4.2%)から上方修正した。米中間の貿易緊張緩和が寄与したとみられている。また、インド経済は2025年に世界の主要経済で最も高い成長を記録した後、2026年はやや減速して6.4%と予測されているが、引き続き高い成長率を維持すると見込まれている。
地域別では、日本も成長率見通しが上方修正されるなど、多くの国・地域が堅調な経済活動を維持する方向にある。ただし、IMFはリスク要因も強調している。AI投資に対する過度な期待や評価の再調整が生じれば、成長に下押し圧力がかかる可能性がある。また、米国と他国間の貿易政策や地政学的対立が再燃すれば、世界経済の回復力に影響を及ぼす恐れがあるとしている。
インフレ率は世界的に低下傾向にあり、2025年の4.1%から2027年には3.4%に低下すると予測されている。しかし、各国のインフレ目標達成に向けた歩みは地域ごとにばらつきがある。金融政策の緩和や財政支援も成長を支える要素となっているが、IMFは政策当局に対し、財政の持続可能性や金融安定の維持、不確実性の軽減、構造改革の推進などを求めている。
IMFの最新報告は、世界経済が多様な力に支えられつつ安定的に推移していることを示す一方で、下振れリスクに注意を払う必要があるとの見方を示している。特にテクノロジー投資の成果が成長持続につながるかどうかが、今後の重要な焦点となる見通しである。
