◎民主党のイルハン・オマル下院議員は「アメリカとイスラエル」を「イスラム過激派組織ハマスとタリバン」に例えた発言を擁護し、発言に不快感を示した同僚に反撃した。
6月10日、民主党のイルハン・オマル下院議員は「アメリカとイスラエル」を「イスラム過激派組織ハマスとタリバン」に例えた発言を擁護し、発言に不快感を示した同僚に反撃した。
ユダヤ人議員はオマル下院議員の発言を却下し、発言の意図を明確に説明するよう求めたが、オマル下院議員は「比喩」と主張したうえで、「イスラム嫌悪の裏切り」と猛反発した。
今回の騒動はオマール下院議員が先日開催されたオンライン会議の中で、アントニー・ブリンケン国務長官にガザ紛争の真実を追求するよう求めたことで始まった。オマール下院議員は国務長官に、「アメリカ、ハマス、イスラエル、タリバンによる考えられない残虐行為を見た」と述べ、「ガザの人々に対する正義はどのように追求されるのか?」と質問した。
オマル下院議員はソマリア生まれの元難民で、米議会に初めて選出されたムスリム女性議員として注目を集めた。同氏は2019年、アメリカはイスラエルを支援することで利益を上げていると発言し、その後謝罪した。
オマル下院議員は6月7日のツイートで、「アメリカ、ハマス、イスラエル、タリバンによる考えられない残虐行為を見た」とブリンケン国務長官に対する質問を引用した。
NY州選出のジェロ・ナドラー下院議員率いるグループは9日、「アメリカとイスラエルをハマスとタリバンと同一視することは見当違いであると同時に攻撃的です」と書簡の中で述べた。「法の支配によって統治される民主主義と、テロに関与する軽蔑的な組織を同一視することは間違いであり、根深い偏見を反映しています」
「誤った主張はテロリストを正当化し、テログループを支援することになるでしょう」
これに対しオマル下院議員は10日早朝、同僚の声明に反撃するツイートを発信した。「彼らは私のサポートが必要なときに電話で助けを求めてきました。しかし、彼らは今回、私に直接意見を伝えず、声明で非難しました。これはとても恥ずかしいことです」
「彼らのイスラム恐怖症は不快です。声明に賛同した人たちの絶え間ない嫌がらせと沈黙は耐え難いものです」
また、ブリンケン国務長官への質問については、「私を黙らせたい人たちは、ガザの調査を弱体化させたり、犠牲者への正義を否定しようとするかもしれませんが、真実を永遠に隠したり沈黙させたりすることはできません」と述べたうえで、「私は確立された司法制度を備える民主主義国とテロリストを同一視していません」と反撃した。
オマル下院議員の反撃から数分後、ナンシー・ペロシ下院議長を含む下院民主党の指導者たちは、オマル下院議員の7日のツイートを却下する珍しい共同声明を発表した。「アメリカやイスラエルなどの民主主義国と、ハマスやタリバンのようなテロリストを同一視する発言は、世界の平和と安全な未来に向けた取り組みを弱体化させます」
現地メディアは、「下院民主党のトップは来週の(議会の)再開に先立ち、共和党の攻撃を防ぐために迅速に介入した」と報じた。
進歩的な女性民主党員チーム「スクワッド(分隊)」の隊員、アレクサンドリア・オカシオ・コルテス下院議員はオマル下院議員の応援に駆け付けた。「私たちの民主党から来る絶え間ない中傷、意図的な誤解、公の場での攻撃にかなりうんざりしています」
「彼らはオマル下院議員の比喩と正義の追求を非難し、火に油を注ぐことで彼女を危険にさらしたいようです」
共和党のケビン・マッカーシー下院少数党首は先日、「民主党は反ユダヤ主義に寛容であり、テロリストに同情しているというメッセージを世界に送りたいようだ」と述べていた。
またマッカーシー下院少数党首は先月、議事堂内でマスクの着用を強制するペロシ下院議長の命令は、ホロコーストでユダヤ人に黄色い星を着用するよう強制したナチスと似たようなものと述べ、一部の共和党員から絶賛された。
ペロシ下院議長の報道官は、「最新の声明はオマル下院議員に圧力をかけるためのものか?」という記者の質問を却下した。
進歩的なスクワッドはリベラル派の女性から圧倒的な支持を集めている。