◎バイデン大統領はルイジアナ州ニューオーリンズの郊外に位置する都市ラプレイスを訪問し、現地で復旧作業に与える地方当局者の説明を受けた。
9月3日、ジョー・バイデン大統領は「ハリケーンアイダ」の強風と大雨に見舞われた南部ルイジアナ州の被災地を視察し、州政府の復旧作業を全力で支援すると約束した。
バイデン大統領はニューオーリンズの郊外に位置する都市ラプレイスを訪問し、現地で復旧作業に与える地方当局者の説明を受けた。
ラプレイスは最も深刻な被害を受けた地域のひとつで、少なくとも住宅数千棟が何かしらの被害を受けたと伝えられている。
ラプレイスの地方当局者はバイデン大統領に地域の現状を報告し、「主要なインフラの復旧には少なくとも数週間かかる見込み」と述べた。
バイデン大統領は視察後に行われた会議の中で、損傷したインフラをより早く復旧しなければならないと強調した。会議にはラプレイスの病院当局の代表、電力会社の幹部、州議会議員などが出席した。電力会社の幹部は配電線の地中化を含む新たなハリケーン対策を検討すると述べた。
ルイジアナ州の広い範囲で発生した停電の復旧作業は継続中。30日午後の停電世帯数は約100万軒だったが、9月3日午後の時点で約74万軒まで減少した。
バイデン大統領は上院民主党と共和党の超党派が合意した約1兆ドルのインフラ法案の速やかな下院通過を望んでいるが、審議は難航している。バイデン大統領は会議の中で道路、高速道路、橋、通信網を含む老朽化したインフラの改修の重要性を訴えた。
「アメリカのインフラはひどく老朽化しており、崩壊した道路や橋は修理ではなく造り直さなければなりません。予算を確保し、必要なインフラに資金と人員を投入する必要があります...」
2005年8月に南部に上陸したハリケーンカトリーナ(カテゴリー5)はニューオーリンズを含む多くの地域に深刻な被害をもたらしたが、その後沿岸地域に建設された防波堤は今回のハリケーンアイダがもたらした津波と高潮を防ぎ、貿易港を含む地域の主要拠点の被害は最小限に抑えられたと伝えられている。カトリーナの死亡者は1,800人以上、被害額は1,000億ドル以上(11兆円)にのぼった。
AP通信によると、アイダの死亡者数は9月3日時点で、ルイジアナ州、ミシシッピ州、アラバマ州の3州で14人、ニューヨーク州を含む北東部地域で少なくとも48人確認されたという。被害総額は500億ドルを超えると見積もられている。
会議に出席したルイジアナ州選出の共和党員、ビル・カシディー上院議員は電力線の地中化でハリケーン被害を抑えることができるという地方当局者の提案に合意した。1兆ドルのインフラ法案には送電網の改修費用数十億ドルも計上されている。
バイデン大統領は就任以来、様々な自然に災害に見舞われ、その都度気候変動対策とインフラの重要性を訴えてきた。南部テキサス州で2月に発生した大寒波によるガスパイプラインと送電網の損傷は大混乱を引き起こし、450万軒以上が停電した。一方、西部州の大規模な山火事が鎮火する見通しは立っていない。
バイデン大統領は自然災害だけでなく、デルタ株(コロナウイルス)の再拡大やアフガン問題を含む世界規模の難題に直面しており、最新の世論調査の不支持率は支持率を3%近く上回った。