米国で「詰め替え専門店」増加、消費者の意識と行動に変化
こうした取り組みは、消費者の選択が環境負荷の軽減につながるという意識の高まりを背景に、今後さらに広がる可能性がある。
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米国などでゴミ削減の新たな取り組みとして、容器を使い捨てるのではなく再び詰め替える「リフィル(詰め替え)ストア」が増えており、消費者の意識と行動に変化をもたらしている。こうした店舗は石けんやシャンプー、洗剤などの日用品をプラスチックなどの単一使用パッケージで購入する代わりに、顧客が自前の容器を持参して必要な分だけを詰める仕組みを提供し、ゴミ削減への新たな一歩として注目されている。
米フロリダ州タンパの「ルフカ・リフィラブル・ゼロ・ウェイスト(Lufka Refillable Zero Waste)」では、来店客が自分の容器を店内に持ち込み、まず中身を量り、その後必要な製品を詰めてもらう。商品の価格は詰めた量に応じて設定され、繰り返し詰め替えることで廃棄されるパッケージの量を減らす工夫がされている。店舗の創業者は同じ容器を何度も使う習慣が定着することで、個人ごとに大きな廃棄物削減につながると話している。
この動きは新しいものではなく、かつて米国で普及していたソーダ瓶や乳製品のリターナブル容器のような仕組みを想起させる。リフィル可能な包装は近年、循環型経済のコンセプトと結びつき、材料や製品の使用期間を延ばして廃棄物を抑える手段として再評価されている。非営利団体「パブリック・インタレスト・リサーチ・グループ(Public Interest Research Group)」は、全米で数百店規模のリフィルストアが存在すると推計し、包装ゴミ削減を目指す新世代のビジネスと位置づけている。
大手ブランドや小売業者もこの潮流を取り入れつつある。美容ブランド「ラッシュ・コスメティックス(Lush Cosmetics)」は容器を持参した顧客に割引を提供するサービスを展開し、フランスでは「ループ(Loop)」というサステナビリティプラットフォームが、耐久性のある容器で商品を販売し、回収・洗浄・再詰め替えを行う循環型モデルを実現している。こうした試みは単一使用パッケージ依存からの脱却を促すものとして関心を集めている。
ただし、リフィル化には課題もある。再利用可能な容器は耐久性を高めるために製造時の資源やエネルギーが多く必要となる場合があり、環境面での優位性を得るには複数回以上の使用が不可欠だという専門家の指摘もある。また、衛生管理や容器の回収・洗浄などの物流面のコストがかかること、利用者が足を運ぶ必要がある場合には利便性が損なわれ、従来の単一使用型商品に比べて環境負荷が減らない可能性も指摘されている。
このため専門家は、リフィルシステムを日常の買い物ルーチンにうまく組み込むことが重要だと強調している。例え小さな行動でも、多くの人々が実践することでトータルの廃棄物削減に寄与できるとの見方も示されている。こうした取り組みは、消費者の選択が環境負荷の軽減につながるという意識の高まりを背景に、今後さらに広がる可能性がある。
