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米連邦議会で予算協議加速、政府閉鎖回避へ、移民取り締まりが争点に

上院は29日夜、政府資金の大部分を賄う5つの歳出法案と国土安全保障省(DHS)関連の予算を分離する案を中心に、与野党間で修正協議を続けた結果、決定に向けた動きが活発化している。
2026年1月27日/米ワシントンDC連邦議会議事堂(ロイター通信)

連邦議会上院で政府予算の成立に向けた協議が進展しつつあり、1月30日深夜に期限を迎えるつなぎ予算法案の成立を巡って緊張感が高まっている。上院は29日夜、政府資金の大部分を賄う5つの歳出法案と国土安全保障省(DHS)関連の予算を分離する案を中心に、与野党間で修正協議を続けた結果、決定に向けた動きが活発化している。

この協議は、DHSの予算を含む6本の法案全体をまとめて可決するのではなく、DHS予算のみをつなぎ予算とし、その他は長期的な予算を確保するという大枠の合意を軸に進んでいる。民主党はDHS予算を他の法案から切り離すことで、移民税関捜査局(ICE)などの執行に関する改革を別途協議できるようにすることを求めている。背景にはミネソタ州ミネアポリスでの移民取り締まりによる射殺事件を含む一連の出来事があり、民主党議員が強い改革要求を掲げていることがある。

上院ではこれまで、民主党の反対により6本まとめての法案がフィリバスター回避に必要な60票に達せず不成立となった。与党・共和党は多数を占めているものの、上院では60票がなければ採決が進められない手続きがあり、成立が困難な情勢が続いている。このため、DHSの資金部分を短期的に延長し、その他の重要な政府機関の運営予算は長期的に承認するという妥協策が浮上している。

DHSに関しては、民主党側が提案する治安部隊のマスク着用禁止、ボディカメラ装着、司法令状の要求などの改革条件を反映した修正が今後の焦点となっている。共和党側は短期延長の期間について2週間から4〜6週間という幅で議論しており、この期間の設定が合意の鍵となっている。一部の議員は短期延長案によって交渉の余地を確保しつつ、政府機能を停止させずに済む可能性があると指摘している。

ただし、現時点では合意が確定したわけではなく、法案が上院を通過した後に下院で再審議・承認が必要である。下院は1月30日まで休会中、仮に上院で妥協案が可決されても、下院の承認に時間がかかる可能性があるため、部分的な政府機関閉鎖が生じる可能性は依然として残る。議会の予算承認期限は1月31日午前で、時間的な余裕はほとんどない状況である。

政府側ではトランプ(Donald Trump)大統領や上院共和党、民主党指導部の間で交渉が続いており、両党とも政府閉鎖は避けたいとの意向を表明しているが、移民政策や改革を巡る対立が最終的な調整を難しくしている。妥協点としてDHSの短期延長とその他機関の長期予算確保という分割案が現実的な解決策として取り沙汰されており、1月29日夜から30日にかけての採決が注目される。

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