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地政学的リスクが金価格押し上げ、過去最高値に迫る

ロンドン市場でスポット金は前日比で上昇し、1オンス当たり約4460ドル台で取引された。
金塊(Getty Images)

金価格は6日、地政学的リスクの高まりと連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ観測を背景に安全資産への需要が強まった影響で反発し、1週間ぶりの高値圏で推移しながら過去最高値に接近した。これにより投資家のリスク回避姿勢が一段と鮮明となっている。

ロンドン市場でスポット金は前日比で上昇し、1オンス当たり約4460ドル台で取引された。これは先週末の大幅上昇分を受けたもので、金は昨年12月26日に記録した史上最高値4549.71ドルに近い水準となっている。今年2025年の金価格は前年度比で約64%上昇し、1979年以来の大幅な年間伸びとなった。米国の2月限金先物も上昇し、投資家の強気姿勢を反映した。

金価格を押し上げている主要因の一つは、ベネズエラ情勢の緊迫化だ。米国によるベネズエラ大統領の拘束に絡む混乱は市場に地政学的リスクとして認識され、投資家のリスク回避需要を刺激している。このため、金は安全資産としての魅力を高めているとの指摘が出ている。

また、米国の経済指標や中央銀行関係者の発言も金価格を支えている。市場ではFRBが今後利下げに踏み切るとの見方が広がっており、低金利環境が続くとの期待が、利息を生まない金の相対的な魅力を高めている。特に米国の製造業景況指数が予想を下回ったことが影響し、利下げ観測が強まったとされる。ミネアポリス連銀の総裁は失業率の上昇リスクに言及し、利下げ可能性を示唆した。市場は今年中に複数回の利下げを織り込んでいるとの分析もある。

金のほか、銀やプラチナ、パラジウムといった他の貴金属も価格を伸ばしている。銀は急騰した前年度の勢いを維持しつつ、金同様に安全資産や産業需要の両面から買われている。プラチナやパラジウムも上昇し、貴金属市場全体が堅調な推移を示している。

専門家は、世界的な不透明感の高まりが継続する限り、金価格には引き続き追い風が吹く可能性があるとみている。また、一部の金融機関は2026年後半にかけて金価格がさらに上昇するとの予測を示し、年内に4800ドル台に達するとの見通しも示している。こうした予測は、金融政策動向や地政学的イベント次第で変動する可能性があるものの、安全資産需要の強さを示すものとして受け止められている。

市場関係者は今後の米国雇用統計など主要経済指標の発表を注視しており、これらが金価格や米国の金利見通しに大きな影響を与えるとみられている。金市場は依然としてボラティリティの高い局面にあり、投資家は地政学的な動向と経済データを慎重に見極めている。

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