米国でインフルエンザ患者増加中、「サブクレードK」広がる
疾病対策センター(CDC)によると、直近1週間でインフルエンザの活動が少なくとも7%上昇しており、これまでに約200万人の罹患、1万9000件の入院、730件の死亡が確認された。
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イギリスでは例年より早くインフルエンザの流行が始まっており、とりわけ子どもや若年層の感染が目立っている。学校での流行や入院患者の増加も報告されており、医療現場や公衆衛生当局は警戒を強めている。
このイギリスの流行拡大に関して、米国の医療関係者は「イギリスや他国の流行は米国のインフルエンザシーズンが始まる前の先行指標になりうる」と指摘。「現時点では米国の患者数は少ないが、増加傾向にある」と警告した。
米国内でもインフルエンザの活動が増加しているとの報告がある。疾病対策センター(CDC)によると、直近1週間でインフルエンザの活動が少なくとも7%上昇しており、これまでに約200万人の罹患、1万9000件の入院、730件の死亡が確認された。
特に一部の病院では、流行の拡大に備えて入院患者への面会制限を導入。入院患者への面会を1人あたり最大2人までとし、訪問者は13歳以上に制限するなどの措置を取っている。
現在米国やイギリスで広がっているウイルスはH3N2型の派生株である「サブクレードK(subclade K)」である。この変異株は旧来株に比べて症状がやや重く、特に高齢者や子どもに重症化リスクが高い可能性があると医師らは警告する。
インフルエンザの症状としては発熱、寒気、咳、のどの痛み、鼻水・鼻づまり、筋肉痛や関節痛、頭痛、倦怠感などがあり、子どもでは嘔吐や下痢をともなうケースも比較的多いとされる。高齢者や2歳未満の乳幼児、喘息や心臓病・慢性肺疾患など持病のある人は肺炎や副鼻腔炎、中耳炎、あるいは呼吸不全や腎不全などの重篤な合併症リスクがある。
たとえ「サブクレードK」がワクチン株と完全には一致しなくとも、医師らは、生後6か月以上のすべての人に対しインフルエンザワクチン接種を強く推奨している。実際、イギリスでの分析では、ワクチン接種によって子どもの入院リスクが約70〜75%、成人では30〜40%低減するという結果が出ている。
併せて、手洗いや咳エチケット、マスクの着用、外出時や施設利用時の人混みを避けること、体調不良時は外出を控えるなど、基本的な感染対策を徹底することも重要だ。
