◎現地メディアによると、敷地はほぼ整地を終え、瓦礫はマイアミの倉庫に移されたという。
2021年6月24日/フロリダ州サーフサイドにあるチャンプレインタワーズの南棟(デビッド・サンティアゴ/マイアミヘラルド/AFP通信)

フロリダ州マイアミの消防当局は23日、サーフサイドのビル崩壊事故における遺体捜索の終了を宣言した。

マイアミデイド郡サーフサイドのチャンプレインタワーズサウスビル(南棟:12階建て)の一部は6月24日の午前1時15分頃に崩壊した。消防当局によると、これまでに97人の死亡を確認し、少なくとも1人の安否が分かっていないという。

当局は7月4日、安全上の懸念を理由にビルの残り部分を爆破解体したうえで、救助作業を復旧作業に切り替えた。

現地メディアによると、敷地はほぼ整地を終え、瓦礫はマイアミの倉庫に移されたという。警察当局は瓦礫の調査を継続しているが、敷地で新たな犠牲者が発見されることはなくなった。

マイアミデイド消防救助隊の都市型捜索救助チームは23日の記者会見で、現場の捜索活動を正式に終了したと発表した。アラン・コミンスキー署長は、酷暑の中、24時間体制で働いた消防士と関係者に敬意を表した。

ビルが崩壊した原因は分かっておらず、当局は調査を進めている。2018年10月に行われた現場調査によると、ビル内のプールデッキとエントランス下の防水がうまく機能していなかったことなどが分かったという。ただし、防水の問題と崩壊の因果関係は不明。

2018年の調査の結果、地下駐車場のコンクリート支持梁のひび割れや劣化などの修理に1,000万ドル(約10億円)近くかかることが分かったものの、異常箇所の修理は行わなかった。

その後、ビルの入居者たちは修理をめぐって管理会社と争い、事故発生前の見積もりは1,500万ドルに増加した。

崩壊後に提起されたいくつかの訴訟を主宰する判事は「(崩壊した)不動産が市場価格で売却される」ことを望んでおり、所有者、管理会社、保険会社は1億ドル以上の補償に直面すると予想されている。

マイアミデイド巡回裁判所のマイケル・ハンズマン判事は今週開催された公聴会の中で、「すべての選択肢が検討されている」と述べた。

2021年7月15日/フロリダ州サーフサイド、チャンプレインタワーズ近く、解体の様子を見守る人々(Rebecca Blackwell/AP通信)
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