◎マイアミデイド郡サーフサイドにあるチャンプレインタワーズサウスビル(南棟)の一部は24日の午前1時30分頃に崩壊した。
2021年6月26日/フロリダ州サーフサイドにあるチャンプレインタワーズ(Lynn Sladky/AP通信)

米主要メディアによると、フロリダ州サーフサイドのビル崩壊現場で新たに1人の遺体が確認され、死者数は6月26日午後の現時点で5人に増加したという。

マイアミデイド郡サーフサイドにあるチャンプレインタワーズサウスビル(南棟)の一部は24日の午前1時30分頃に崩壊した。

同郡は26日午後の記者会見で、新たな犠牲者の発見に伴い、現時点で連絡の取れない行方不明者は156人になったと述べた。また、遺体の身元を確認するために、家族からDNAのサンプルを集めていることも明らかにした。

捜索隊はコンクリートと金属片を取り除きながら行方不明者の捜索を続けている。サーフサイドのチャールズ・バーケット市長は「捜索隊は行方不明者を助け出すために、昼夜を問わず働いている」と述べた。

AP通信によると、捜索は山積みになった瓦礫内部の炎と複雑に絡み合った鉄筋などの影響で困難を極め、捜索隊は26日のある時点で瓦礫の一部を爆破したという。

捜索活動を見守ったフロリダ州のロン・デサンティス州知事は、「捜索隊は煙とホコリと数百キロの鉄塊と戦っている」と述べた。

ジョー・バイデン大統領は25日、「デサンディス州知事と電話で協議し、支援を提供した」とツイートした。

捜索活動を支援するクレーンを含む重機は、高さ10m以上の瓦礫の山から破片を取り除き、捜索隊はソナー、バケツ、スコップ、ドローン、警察犬などを使って行方不明者を捜索した。

2021年6月25日/フロリダ州サーフサイドのチャンプレインタワーズ前(オクタビオ・ジョーンズ/ロイター通信)

行方不明者の家族や関係者約200人は、州当局が用意したホテルで待機するよう指示されている。ABCニュースの取材に応じた関係者のひとりは、「ホテル内は異様な雰囲気に包まれていた」と語った。

州当局は崩壊した南棟の安全性を建設当時の資料(1981年築)や点検記録などを基に調査すると発表した。サーフサイドのバーケット市長は声明の中で、「郡内の他の自治体に調査に参加するよう依頼し、州および連邦政府から資金援助を受けた」と述べた。

デサンティス州知事は26日、連邦緊急事態管理庁(FEMA)の当局者も調査に加わることを明かし、「崩壊したビルと同じ時期に設計された姉妹ビルも調査の対象になる」と述べた。

バーケット市長によると、市当局は資料を基に大まかな初期調査を行い、現時点で異常は確認できなかったという。市長は記者団に、「現在の最優先事項は行方不明者の捜索」と強調した。

また、南棟と同じ時期に建設されたチャンプレインタワーズノースビル(北棟)の住民を一時的に避難させる準備を進めており、宿泊費はFEMAが補償すると述べた。

災害などによる構造物の損傷の調査を専門とする国立標準技術研究所(NIST)は、より徹底的な調査を行うかどうかを決定するために、6人の科学者とエンジニアを現地に派遣している。

NISTは9.11同時多発テロのワールトレードセンターやプエルトリコのハリケーン災害などでも構造物の調査を主導した。

NISTのジェイソン・アベリル氏は25日、最初のチームが現地入りしたと述べた。

崩壊した南棟には多くの外国人居住者がいたと伝えられている。イスラエル政府は、捜索を支援するエンジニアと救助チームを現地に派遣していると発表した。イスラエルのメディアによると、南棟に入居していたイスラエルの国民20人が崩壊に巻き込まれた可能性があるという。

パラグアイの国民6人、アルゼンチン9人、ベネズエラ4人、ウクライナ3人も行方不明者に含まれている。

2021年6月26日/フロリダ州サーフサイドのチャンプレインタワーズ、行方不明者を探す捜索隊(Lynn Sladky/AP通信)
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