◎捜索隊は2日の救助活動で7歳の少女を含む2人の遺体を回収し、確認された死亡者は20人になった。
7月2日、フロリダ州当局はマイアミデイド郡サーフサイドのビル崩壊の行方不明者リストを修正(重複を削除)し、2日時点の行方不明者数は145人から128人になったと発表した。
捜索隊は2日の救助活動で7歳の少女を含む2人の遺体を回収し、確認された死亡者は20人になった。
同郡サーフサイドのチャンプレインタワーズサウスビル(南棟:12階建て)の一部は24日の午前1時15分頃に崩壊した。2018年10月に行われた現場調査によると、ビル内のプールデッキとエントランス下の防水がうまく機能していなかったことが分かったという。防水の問題と崩壊の因果関係は不明、当局は調査を進めている。
またフロリダ国際大学のマイアミ環境研究所が2020年に実施した別の調査によると、ビルのある地域は1993年から1999年にかけて地盤沈下の兆候が見られたという。しかし、調査の結果、地盤沈下や土地の段階的な変異がビルに影響を与える可能性はないと判断された。
マイアミデイド郡のダニエラ・レヴィンカヴァ市長は2日の記者会見で、行方不明者リストから重複している人を削除し、一部の行方不明者と連絡が取れたと明かした。連絡が取れた人は、「自分がリストの名簿に載っていることを知らなかった」と伝えられている。
レヴィンカヴァ市長は、「行方不明者の数は今後も変化する」と述べたうえで、捜索活動に尽力している消防士や関係者に謝意を表した。
同郡のレイド・ジャダラ消防署長は2日に開催された行方不明者の家族との会合で、24日の捜索開始以来、生存者の声を検出できたのは1度だけだったと述べた。捜索隊のソナーは24日の午前10時から11時頃に瓦礫の中の女性の声を検出したが、女性にたどり着くことはできず、声は聞こえなくなったという。
またジャダラ消防署長は、ハリケーンエルザ(カリブ海沖を西進中)の影響で風が強くなった場合、捜索を中断する可能性があると述べた。
テントで寝泊まりしている一部の救助隊員は港に停泊しているクルーズ船に移動すると伝えられている。クルーズライン社は声明で、約600人がロイヤルカリビアン号に滞在すると述べた。同船の最大収容人数は3,000人で、7月8日から隊員の収容を開始する。
捜索隊は2日、崩壊を免れた建物の柱に新たな亀裂が入ったことに気づき、捜索活動や約15時間ストップした。当局者によると、解体完了には数週間かかる見込みだという。