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米ミネソタ州における「移民取り締まり」作戦終了、4000人逮捕

この取締り作戦は2025年12月に開始され、移民税関捜査局(ICE)や国土安全保障省(DHS)などの約2000~3000人の連邦職員がミネアポリス・セントポール大都市圏に配備された。
2026年2月3日/米ミネソタ州ミネアポリス、移民税関捜査局(ICE)の捜査員(AP通信)

連邦当局は12日、ミネソタ州で昨年12月から行っていた大規模な移民取締り作戦「メトロ・サージ作戦(Operation Metro Surge)」を終了すると発表した。作戦の総指揮を務めてきたホワイトハウスの国境管理担当であるホーマン(Tom Homan)氏は同日、ミネアポリスでの記者会見で、「この作戦を終結するよう提案し、大統領も同意した」と述べ、現地に派遣していた連邦職員の多くがすでに撤収を開始していると明らかにした。捜査官たちは来週にも完全に現地を離れる予定だという。

この取締り作戦は2025年12月に開始され、移民税関捜査局(ICE)や国土安全保障省(DHS)などの約2000~3000人の連邦職員がミネアポリス・セントポール大都市圏に配備された。当局はこれまでに4000人以上を逮捕したと発表し、「作戦によりミネソタは犯罪者にとってより安全性の低い州になった」と成果を強調した。しかし、逮捕者の中には犯罪歴のない人々や米国市民も含まれていたとの指摘があり、詳細な内訳は公表されていない。

この大規模取締りは開始当初から地域住民や人権団体の強い反発を招いた。特に、取締り活動中にICE職員らが民間人に発砲し、2人の米国市民が死亡する事件が発生したことが大きな批判を呼んだ。この両事件は全国的に報道され、抗議デモや反対運動が広がった。作戦を支援する装備や戦術が「軍事化」と表現される場面もあり、非白人コミュニティに恐怖感を広げたとの指摘もある。

ミネソタ州知事やミネアポリス市長、州検事総長ら地元の民主党指導者は、作戦の終結を歓迎しつつもその影響を批判してきた。ワルツ(Tim Walz)州知事は12日、作戦が地域社会と経済に深刻なダメージを与えたとして、復興支援策を検討していると表明。ミネアポリス市長は連邦当局の責任追及と透明性確保を強く求めている。作戦で多くの家族が分断され、ビジネスや学校活動にも混乱が生じたとの報告がある。

一方で、この決定はトランプ政権にとっても政治的な負担を軽減するものとみられている。最近の世論調査では、多くの有権者が移民政策が過度であると考えているとの結果が出ており、連邦当局はこの作戦が政治的リスクとなっていたことを認めている。作戦の終了はそのような批判への対応でもあるとみられている。

ホーマン氏は記者会見で、ミネソタでの作戦は終了するものの、全国における移民取締りや強制送還の取り組みは引き続き進められると述べ、連邦政府の広範な方針に変わりはないことを強調した。地元住民や支援団体は作戦終了を歓迎しつつも、これまでの混乱や人権侵害に対する責任追及と改革の必要性を訴えている。

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