米ミネアポリス移民摘発、連邦政府と州政府の対立激化
事件は1月24日、移民税関捜査局(ICE)など国土安全保障省の捜査官が強硬な移民摘発作戦を展開していた地区で発生したもので、米国籍の市民が射殺された。
に射殺された男性を悼む人々(AP通信).jpg)
米ミネソタ州ミネアポリスで連邦当局による移民取り締まりの最中に男性(37歳)が射殺された事件を巡り、州と連邦政府の対立が激化している。事件は1月24日、移民税関捜査局(ICE)など国土安全保障省の捜査官が強硬な移民摘発作戦を展開していた地区で発生したもので、米国籍の市民が射殺された。連邦当局は男性が武装し抵抗したとして正当防衛を主張しているが、目撃者撮影の映像や市民の証言は全く異なっている。
政府側は男性が現場で捜査を妨害し、武器を所持していたと説明した。しかし複数の動画には、男性が携帯電話のみを手にし、武器を振りかざす様子は確認できない。映像では捜査官が男性を地面に押し倒し、その後少なくとも一発の銃声が聞こえる場面が映っている。男性はその後、現場で死亡が確認された。
この事件はミネアポリスで1月初旬にICE捜査官が米国籍の女性を射殺した事件に続くものであり、現地ではトランプ政権に抗議するデモが続いていた。男性の死は再び大規模な抗議を引き起こし、ミネアポリスだけでなくニューヨークやワシントンDC、ロサンゼルスなど全米各地に波及している。
ミネソタ州知事は25日の記者会見で、「強大な連邦政府が市民を殺害し、恐怖を撒き散らしている」と強く批判した。また、「どちらの側に立つのか」と国民に問いかけ、男性を「政府の暴力に立ち向かった医療従事者」と評価し、政府に対し、移民取り締まりの即時停止を求めた。州と郡は連邦政府を相手取り証拠保全を目的とした訴訟を提起し、連邦地裁は証拠の破壊や改変を禁じる仮処分命令を出した。
一方、国土安全保障省やICEのトップは、捜査官の行動は法と秩序に則ったものであり、抵抗した人物に対する適切な対応だったと繰り返している。連邦当局は事件の詳細な調査を進めていると説明しつつ、捜査官の行動を擁護する姿勢を崩していない。捜査官は記者団に対し、現場での危険な状況を強調し、男性が攻撃的だったとする見解を示した。
男性の家族は声明で「息子は明らかに武器を持っていなかった」と反論し、「真実を明らかにしてほしい」と訴えた。また家族や支援者らのための募金活動が行われ、短期間で多額の資金が集まっているとの報道もある。
この事件を受け、民主党の有力政治家や活動家の間からは連邦レベルでの調査強化や国土安全保障省の予算削減を求める声が上がっている。特に国土安全保障省の今後の予算編成を巡る議論が、民主党と共和党の対立を激化させており、場合によっては政府機関の一部閉鎖につながる可能性も指摘されている。
ミネアポリス市警察のトップも「男性が武器を振り回していたという証拠はなく、映像がすべてを物語っている」と述べ、連邦当局の説明を疑問視している。事件の真相解明と責任の所在を巡る争いは、今後の司法手続きと政治的対立の中心課題となる見込みである。
