◎令状を含む7枚の文書は12日午後に公開された。
2022年8月12日/米連邦捜査局が公表した捜索令状の一部(Julia Nikhinson/AP通信)

米主要メディアは12日、連邦捜査局(FBI)がトランプ(Donald Trump)前大統領の豪邸「マー・ア・ラゴ」を家宅捜索した事件について、「FBIは最重要機密文書を押収した」と報じた。

FBIが公表した捜索令状によると、捜査官たちはマー・ア・ラゴから11組の機密文書を押収したという。

文書の1つは「TS/SCI(最高機密/機密区画情報)」であり、米国の安全保障に重大な影響を与える文書であることが確認された。

しかし、トランプ氏は不正行為を否定し、民主党を非難している。同氏は声明の中で、「マー・ア・ラゴの文書はすべて機密解除され、安全だ」と説明した。

FBIは文書が入った20箱以上の箱、写真のバインダー、トランプ氏の大親友であるロジャー・ストーン(Roger Stone)氏がトランプ氏に提出した恩赦を懇願する手紙などを押収した。ストーン氏は2020年末に赦された。

またFBIはフランス大統領に関する文書も押収した。

令状を含む7枚の文書は12日午後に公開された。

司法省は裁判所に異例の令状開示を求め、トランプ氏の関係者と共和党を驚かせた。

リストには最高機密文書だけでなく3組の「機密文書(Secret documents)」と、3組の「機密(confidential)」が含まれている。

令状によると、FBI捜査官は国家安全保障にかかわる文書の送信や違法な取り扱いを禁じる法律に基づき、マー・ア・ラゴを家宅捜索したという。

機密文書や資料の持ち出しは法律で禁じられている。トランプ氏は在任中にこの法律の罰則を強化しており、有罪が確定すれば、最大で禁固5年に処される可能性がある。

フロリダ州判事は8月5日に令状を承認。FBIはその3日後、マー・ア・ラゴに踏み込んだ。

トランプ氏は自身のSNSプラットフォーム「Truth Social」に投稿した声明で、「回収された資料はすべて機密解除され、安全に保管されている」と述べた。

またトランプ氏は、「捜索令状が執行される前に資料を提出してもよかった」とした。「政府はいつでも私の機密解除したメモを見ることができました。彼らは普通にノックして入ってくればよかったのです」

共和党支持者はFBIと民主党を非難した。

ある支持者はSNSに「FBIは機密解除された大統領のメモを奪うために盛大にマー・ア・ラゴを踏み荒らし、金庫をこじ開け、部屋をひっくり返した」と投稿した。

別のツイッターユーザーは、「バイデンは11月の中間選挙で勝利するために、司法とFBIにトランプ氏を叩くよう命じたのだろう」と主張し、多くのいいねを集めた。

法律の専門家によると、機密を解除したというトランプ氏の主張が法廷で通用するかどうかは分からないという。大統領は機密を解除する権限を持っているが、その手続きがどのように行われるかは不明確である。

セーブ・アメリカの広報担当であるバドウィッチ(Taylor Budowich)氏はCBSニュースのインタビューに対し、「民主党の襲撃作戦は失敗に終わった」と語った。

またバドウィッチ氏は今回の家宅捜索を「不必要」と呼び、時間の無駄と一蹴した。「私たちの大統領は機密解除した文書を持っていました。バイデンは政敵を攻撃するために権限を武器化したようです」

トランプ氏とつながりの深い共和党員もこの家宅捜索を政治的動機によるものと非難している。

2022年8月10日/ニューヨークのトランプタワー前、トランプ前大統領(Jon Elswick/AP通信)
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