SHARE:

米FBI、フィラデルフィアで麻薬組織摘発、33人逮捕

この組織は2016年1月から25年10月にかけて、フィラデルフィアのケンジントン地区でコカイン、フェンタニル、ヘロインを販売していた。
2025年10月24日/米ペンシルベニア州フィラデルフィア、FBIによる家宅捜索の様子(AP通信)

連邦捜査局(FBI)は24日、ペンシルベニア州フィラデルフィアのギャング組織に対する数年にわたる捜査の一環として、30人以上が麻薬関連罪で逮捕・起訴されたと発表した。

それによると、この組織は2016年1月から25年10月にかけて、フィラデルフィアのケンジントン地区でコカイン、フェンタニル、ヘロインを販売していた。

トランプ政権は麻薬犯罪の取り締まりを強化している。

専門家によると、フィラデルフィアを含む主要都市の麻薬犯罪は近年低下傾向にあるという。

FBI長官は声明で、「フィラデルフィアの街から麻薬密売組織を永久に排除し、今後も私たちのコミュニティに銃や化学物質、麻薬を流入させることを阻止する」と述べ、連邦と地方の法執行機関を称賛した。

裁判所の開示資料によると、この組織の構成員とされる33人は麻薬流通に関連する41件の罪で起訴されたという。

FBIによる家宅捜索は24日に行われた。

近年の米国における薬物犯罪は、依然として深刻な社会問題である。特にオピオイド系薬物の乱用が深刻化しており、医療用鎮痛剤からヘロイン、さらにフェンタニルなどの合成オピオイドへと依存が移行するケースが多い。

フェンタニルは少量でも致死量に達するほど強力であり、過剰摂取による死亡者数は過去十年で急増している。

これに伴い、密売組織や闇市場での取引が活発化し、国境を越えた犯罪ネットワークが拡大している。

また、メタンフェタミンやコカインなどの違法薬物も依然として流通しており、地域社会への影響は大きい。

政府は法執行の強化と治療・更生支援の両面から対策を進めているが、依存症の拡大や薬物の多様化により、完全な抑止には至っていない。薬物犯罪は単なる刑事問題にとどまらず、医療、福祉、教育を含む総合的な社会課題となっている。

この記事が気に入ったら
フォローしよう
最新情報をお届けします