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米FBI、ロサンゼルスで計画されていた爆破テロを阻止、4人逮捕

逮捕されたのは20代から40代の男女4人。共謀と破壊工作物所持の容疑で起訴された。FBIによると、全員がロサンゼルス地域に住む人物とされる。
2025年12月15日/米カリフォルニア州ロサンゼルス、FBIの記者会見(AP通信)

連邦捜査局(FBI)は15日、カリフォルニア州ロサンゼルスとオレンジ郡で年越しの大規模爆破テロを計画していたとされる極左系過激組織の計画を阻止し、複数の容疑者を逮捕したと発表した。当局はこれを「大規模かつ恐るべきテロ計画」と位置付け、国内テロ対策の重要性を改めて強調した。

逮捕されたのは20代から40代の男女4人。共謀と破壊工作物所持の容疑で起訴された。FBIによると、全員がロサンゼルス地域に住む人物とされる。

FBIは4人が極左の「タートルアイランド解放戦線(Turtle Island Liberation Front)」の分派に所属していると説明。同組織は反政府・反資本主義・親パレスチナの立場を掲げているとのこと。

FBIロサンゼルス支局は記者会見で、「4人はオペレーション・ミッドナイトサンと名付けた計画の下、即席爆発装置(IED)を複数の物流センターや企業施設に仕掛け、年越しの花火が上がる12月31日深夜に同時爆破を実行する予定であった」と明らかにした。

対象となっていたのは“Amazon型”と形容される物流センターを含む少なくとも5カ所で、同時に移民税関捜査局(ICE)のエージェントや車両も標的にする計画があったとされる。

捜査ではFBIが4人の計画を察知し、12月12日にモハーベ砂漠で爆発物の組み立てとみられる行為を行っていた現場を押さえ、爆発物の材料や化学物質、手製爆弾の構成部品を押収した。

さらに裁判所に提出された供述書には、暗号化されたメッセージアプリ「シグナル(Signal)」を通じて「Order of the Black Lotus」と呼ばれるチャットグループで通信していた記録や、計画書類の存在が記されているという。捜査当局は爆発装置が完全に組み立てられる前に介入し、被害を未然に防いだとしている。

司法省は4人全員を連邦地裁に出廷させ、共謀と破壊工作物所持の罪で起訴した。起訴状には追加の容疑が加えられる可能性があるとされ、これまでの捜査によって押収された物証の分析や関係者の尋問が続いている。同省はこれらの計画が実行されていれば深刻な人的・物的被害をもたらす可能性が高かったと指摘している。

また、FBIのパテル(Kash Patel)長官は今回の事件に関連してニューオーリンズでも別件の攻撃を計画していたとされる第5の人物が逮捕されたとSNSで明かした。これについて当局は、同じ極左系組織との関連性を調査中であり、国内各地に広がる過激思想の動向に警戒を強めている。

FBIは声明で、今回のような国内テロ計画の阻止は多くの情報提供や地域社会との連携によるものであり、一般市民にも不審な行動や情報に注意を払うよう呼び掛けた。

米国内では近年、政治的・社会的対立が激化する中で暴力的な過激派の動きが懸念されており、当局はテロ対策の強化を続ける方針を示している。

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