米FBI「エプスタインが人身売買組織を運営していた証拠はない」
FBIはこれまでに、エプスタイン氏のニューヨーク、フロリダ、米領バージン諸島にある複数の邸宅や金融取引、電子メールなどを詳細に調査してきた。
.jpg)
米連邦捜査局(FBI)が故ジェフリー・エプスタイン(Jeffrey Edward Epstein)氏について行った捜査で、同氏が権力者らに性的サービスを提供する大規模な人身売買ネットワークを運営していたという証拠は見つからなかったことが、同局内部の記録のレビューで明らかになった。これは司法省が今月公開した膨大な捜査ファイルに基づくもので、複数メディアが分析した。
FBIはこれまでに、エプスタイン氏のニューヨーク、フロリダ、米領バージン諸島にある複数の邸宅や金融取引、電子メールなどを詳細に調査してきた。捜査資料には未成年の少女に対する性的虐待を裏付ける十分な証拠が含まれていたが、裕福な顧客に売春を斡旋する組織的な人身売買の存在は裏付けられなかったという。捜査官らは膨大な写真や動画、銀行記録を精査したが、被害者が他の権力者と性的関係を持つ場面や、それを示す決定的な証拠は見つけられなかったとしている。
内部メモによると、一部の被害者がエプスタイン氏が“富裕層の友人らに自分を貸していた”と主張したが、この主張を裏付ける別の被害者の証言や物的証拠は得られなかったという。同捜査でFBIが面談した被害者は数十人に上り、「4〜5人の被害者が他の男性や女性に性的虐待されたと主張した」ケースがあったものの、連邦レベルで起訴に足る証拠がなく、地元警察に付託された例もあるとされている。
また、FBIはいわゆる「顧客リスト」の存在も確認していない。ボンディ(Pam Bondi)司法長官は2025年のテレビ出演で「顧客リストが自分のデスクにある」と述べ、エプスタイン氏が大量の動画を所持していると示唆していたが、捜査官らは実際にそのようなリストを捜査過程で発見していないと内部文書で報告している。
FBIの調査は2005年にフロリダ州パームビーチで当時14歳の少女がエプスタイン氏に性的虐待されたとの通報を受けて始まった。その後、エプスタイン氏は2019年に未成年への性的虐待と人身売買の疑いで再逮捕されたが、同年8月に拘置所で死亡した。死因は自殺とされる。長年の協力者であるギレーヌ・マクスウェル(Ghislaine Maxwell)は未成年者の勧誘や虐待への関与で有罪判決を受けている。
捜査資料の公開は連邦議会が制定した「エプスタイン文書公開法(Epstein Files Transparency Act, H.R.4405)」に基づくもので、司法省は約350万件の関連文書を公開したが、多くが黒塗りされているとの批判もある。これについては今もメディアや研究者らが精査を続けており、未公開部分に新たな情報が含まれている可能性も指摘されている。
