エプスタイン文書、被害者の弁護団が米司法省ウェブサイトの削除を裁判所に要請
弁護士らは今回の申立てが約200人の被害者を代理してのものであるとし、司法省が同サイトで公開している文書に多数の黒塗り(レダクション)漏れがあると指摘している。
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米国で故ジェフリー・エプスタイン(Jeffrey Edward Epstein)氏に性的搾取を受けたとされる被害者らの弁護士が司法省(DOJ)に対し、同省が公開しているエプスタイン文書専用ウェブサイトの即時削除を連邦裁判所に求める緊急の申立てを行った。申立てはニューヨークの連邦地裁宛てに提出されたもので、被害者のプライバシー侵害が「差し迫った危機」状態にあると強く訴えている。
弁護士らは今回の申立てが約200人の被害者を代理してのものであるとし、司法省が同サイトで公開している文書に多数の黒塗り(レダクション)漏れがあると指摘している。これまでの約48時間で、約100人の被害者に関して「数千件」の黒塗り失敗が報告されていると説明しており、FBI文書で被害者の本名がそのまま残っている例や、銀行情報、住所といった個人情報が公開されたケースもあると主張している。あるメール文書では32人の未成年被害者名が列挙されていたが、実際に黒塗りされたのは1人だけだったという具体例も挙げられている。
弁護士の1人は申立ての中で、「エプスタインの被害者にとって1時間ごとが重大だ。被害は継続しており、取り返しがつかない」と記した。また、複数の被害者本人の引用も盛り込まれ、「自分は一度も名乗り出ていないのに、メディアや第三者から嫌がらせを受けている」「この情報が公開されている毎分がさらなる害をもたらす」といった声が伝えられている。ある被害者は、自らと子どもが身体的危険にさらされかねないとの懸念も示している。
これに対し司法省は、膨大な量の文書公開に伴う黒塗りの誤りはある程度避けられないとしている。司法省の副長官はテレビ番組のインタビューで、被害者や弁護士から不備の指摘があった場合には迅速に対処していると説明した。また、黒塗りミスは全体の「約0.001%」に過ぎないと述べ、問題が報告され次第、当該文書を一時的に削除し、適切な処置を施すとも語っている。
しかし弁護士側は、司法省の現行の対応策は問題の規模や深刻さにそぐわないと批判している。「司法省が約束した被害者名を数ヶ月前から把握していながら、これほど大規模かつ一貫した失敗が続くことを説明できる“制度的無能さ”はあり得ない」と断じ、裁判所の介入こそが被害者保護の最後の砦だと主張している。申立ては迅速な司法的措置を求める内容であり、弁護士らはウェブサイトの一時停止と、黒塗り処理のやり直しを裁判所に命じることを求めている。
エプスタイン氏に関する文書公開は、2025年に成立した「エプスタイン文書公開法(Epstein Files Transparency Act, H.R.4405)」に基づき進められているものであり、司法省は現在数百万ページの関連資料、動画、画像などを公開している。一方で被害者情報の扱いや公開内容の妥当性については批判が相次ぎ、裁判所の判断が注目されている。
