SHARE:

米エネルギー長官「イランとの戦争数週間で終結する」


今回の戦争は2026年2月末に米国とイスラエルがイラン国内の軍事施設などを攻撃したことをきっかけに激化した。
2026年3月2日/イラン、首都テヘラン(AP通信)

米国のクリス・ライト(Chris Wright)エネルギー長官は15日、米国とイランの間で続く戦争について、「数週間以内に確実に終結する」との見通しを示した。中東情勢の緊張が続き、世界のエネルギー市場やガソリン価格への影響が懸念される中での発言として注目されている。

ライト氏はABCニュースのインタビューで、現在の戦闘によるエネルギー価格の高騰は「一時的なもの」に過ぎないと説明。市場では紛争の長期化への懸念から原油価格が上昇しているが、実際には世界全体で石油や天然ガスの供給が不足しているわけではなく、心理的な不安が価格を押し上げている側面が大きいと指摘した。そのうえで、「最悪の場合でも混乱は数週間の問題であり、数か月に及ぶ長期戦にはならない」と強調した。

今回の戦争は2026年2月末に米国とイスラエルがイラン国内の軍事施設などを攻撃したことをきっかけに激化した。これに対しイランはミサイルやドローンによる報復攻撃を行い、ペルシャ湾周辺の安全保障環境が急速に悪化した。さらに革命防衛隊(IRGC)がホルムズ海峡の航行を制限したことで、世界のエネルギー輸送にも大きな影響が出ている。

ホルムズ海峡は世界の石油輸送の2割が通過する重要な海上ルートであり、船舶の通航が妨げられると国際市場に直ちに影響が及ぶ。実際、紛争の拡大によって原油価格は大きく変動し、米国内でもガソリン価格が急騰している。こうした状況についてライト氏は、戦闘が収束すれば輸送が回復し、エネルギー価格も安定すると述べた。

またライト氏は、米政府が同盟国と協力してエネルギー供給の安定化を図っていることも強調した。必要に応じて戦略石油備蓄の放出などの措置を検討し、市場への供給不足が生じないよう対応する考えを示している。

一方で、専門家の間では戦闘の終結時期について慎重な見方もある。米イスラエルによる攻撃が続く一方、イランも周辺地域や船舶への攻撃を続け、地域全体の安全保障環境は依然として不安定である。紛争が長引けば、原油価格や世界経済への影響がさらに拡大する可能性も指摘されている。

トランプ政権は今回の作戦によってイランの軍事能力を弱体化させ、地域の安定につなげる狙いがあると説明している。ライト氏はイランが近隣諸国や国際航路を脅かす能力が低下すれば、結果的に中東地域のエネルギー供給がより安定し、長期的には価格の低下にもつながるとの見方を示した。

中東情勢は依然として流動的であり、今後の軍事・外交の動きが世界のエネルギー市場に大きな影響を与える可能性がある。米政府が示す「数週間での終結」という見通しが現実となるのか、国際社会は引き続き事態の推移を注視している。

この記事が気に入ったら
フォローしよう
最新情報をお届けします