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米ノースダコタ州竜巻災害、EF5級、気象台が発表、風速94メートル

この竜巻は6月20日の深夜に発生。3人が死亡し、甚大な被害をもたらした。
2025年6月21日/米ノースダコタ州カス郡、竜巻が通過したコミュニティ(ABCニュース)

ノースダコタ州カス郡で今年6月に発生した竜巻について、気象当局は6日、EF5級の巨大竜巻であったと結論付けた。

米国本土でEF5の竜巻が発生したのは12年ぶりであった。

<竜巻の勢力>
▽EF0:風速 17~32(m/s)
▽EF1:風速 33~49(m/s)
▽EF2:風速 50~69(m/s)
▽EF3:風速 70~92(m/s)
▽EF4:風速 93~116(m/s)
▽EF5:風速 117~142(m/s)

この竜巻は6月20日の深夜に発生。3人が死亡し、甚大な被害をもたらした。

国立気象局(NWS)の専門家委員会は声明で、「竜巻の直径は1.7キロメートルに達し、コミュニティを消し去った」と述べた。

委員会はこの竜巻の風速が94~100メートルに達したと推定している。

米国内で観測された過去最大の竜巻はオクラホマ州で1999年に発生。風速は143メートルに達した。

同局が2007年に改良藤田スケール(EFスケール)を採用して以降、EF5に分類された竜巻は10件発生している。

風速143m/sは時速に換算すると約515km/hに相当する極めて異常な暴風である。これは地球上で観測された自然現象の中でも最強クラスの竜巻(EF5)を超える爆風であり、建物やインフラ、人命に対して壊滅的な被害をもたらす可能性が高い。このレベルの風速では、木造住宅はもちろん、鉄骨造の建物や鉄筋コンクリートの構造物ですら破壊される恐れがある。

また、自動車やトラックなどの重量物も空中に飛ばされるほどの力がある。風圧の強さは風速の二乗に比例するため、風速が倍になると風圧は4倍となり、143m/sの風は日常的な暴風の数十倍のエネルギーを持つ。現実にはこのような風速はほとんど発生しないが、核爆発や一部の異常気象、あるいは極端な理論上のシナリオでは想定される。

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