▽第二次世界大戦で手を取り合った両国の関係は緊張しているように見え、スターマー氏はトランプ氏のジャブをかわしながら懐に飛び込もうとした。
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トランプ(Donald Trump)米大統領は27日、ウクライナの安全保障、貿易関係、NATOの将来について協議するため、イギリスのスターマー(Keir Starmer)首相をホワイトハウスに招いた。
第二次世界大戦で手を取り合った両国の関係は緊張しているように見え、スターマー氏はトランプ氏のジャブをかわしながら懐に飛び込もうとした。
またスターマー氏は記者から厳しい質問が飛ぶ中、険悪な顔のトランプ氏との意見の相違を脇に置いた。
しかし、頑固者のスターマー氏はさまざまな場面で、トランプ氏と相反する意見を打ち込んだ。
トランプ氏は共同記者会見でジョークを交えてこの反発を認めた。「あなたは我々の話し合いで素晴らしい結果を出してくれた。あなたは非常にタフな交渉者だ。好きかどうかは分からないが」
しかし、時には無愛想な雰囲気にもなった。
スターマー氏はトランプ氏がカナダを米国の51番目の州にすると発言したことについて記者から質問され、答えようとしたとき、トランプ氏に遮られた。
「あなたは私たちの間に存在しない溝を見つけようとしているのだと思います」とスターマー氏は言い始めた。「私たちの同盟関係は揺るぎない。今日はとてもいい話し合いをしました」
その時、トランプ氏が飛び込んできた。「もう十分だ。ありがとう」
スターマー氏はトランプ関税に穏やかに反発し、トランプ氏の顔をひきつらせた。
またスターマー氏はウクライナの安全保障に言及。「欧州諸国がウクライナに平和維持部隊を派遣する場合、米国が安全保障上のバックストップ(非常時の予防措置)を提供する必要がある」と強調した。
トランプ氏は記者からNATOの集団的自衛権(5条、集団防衛)にコミットするかという質問に「もちろん支持する」と答え、スターマー氏を安心させた。
スターマー氏はNATO加盟国の防衛費をGDP比5%にするというトランプ氏の提案に同調した。米国は昨年、GDPの約3.4%を軍事費につぎ込み、その総額は9670億ドルにのぼる。
スターマー氏はウクライナに侵攻したロシアを改めて糾弾し、力による現状変更は絶対に認めないと強調した。トランプ氏はこの発言を聞いた時、うんうんとうなずいたように見えたが、ロシアにはほとんど言及しなかった。
トランプ氏は28日にウクライナのゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領と会談し、同国の鉱物資源の権益を巡る協定に署名する予定だ。これにはウクライナが求める米国による安全の保証は盛り込まれない。