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ドル堅調、ベネズエラ情勢何のその、経済指標に投資家注目

5日午前の為替相場では、ドルはユーロに対して0.1%上昇し1ユーロ=1.1704ドル台に達した。
米ドル紙幣(Getty Images)

ドルは2026年最初の本格的な取引で上昇し、ユーロに対して3年半ぶりの高値圏、円に対しても2週間ぶりの高水準を示した。市場は先週末の米国によるベネズエラでの軍事作戦やマドゥロ(Nicolas Maduro)大統領の拘束といった地政学リスクを一定程度織り込む一方で、今週発表される米経済指標への注目が為替市場の中心となっている。

5日午前の為替相場では、ドルはユーロに対して0.1%上昇し1ユーロ=1.1704ドル台に達した。また円に対しては0.2%高い1ドル=約157.08円まで上昇し、前週の終値を上回る水準となった。ドルは英国ポンドやカナダドルに対しても堅調に推移した一方、豪ドルは下落した。

トレーダーらの間では、米国がベネズエラへの軍事作戦を実施したことの影響は為替相場に限定的との見方が広がっている。市場の注目はむしろ今週発表される米国のマクロ経済指標に移っており、これらのデータが連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策の方向性を占う上で重要視されている。特にISM製造業指数や週末発表予定の非農業部門雇用者数といった指標が、利下げペースに関する市場の見方に影響を与える可能性がある。

現在の市場では、トレーダーは2026年にFRBが2回の利下げを実施すると予想しているが、2025年末に発表された経済データの堅調さが利下げのスピードを鈍化させるとの観測も出ている。これまでの米景気指標では消費や雇用の強さが示されており、物価や労働市場の動向がFRBの判断材料として重視される見込みだ。

また市場は、5月に任期満了を迎えるFRBのパウエル(Jerome Powell)議長の後任にも注目している。トランプ(Donald Trump)大統領は1月中に次期議長候補を発表するとしており、低金利政策を支持する人物を選ぶ意向を示している。新議長の選定が今後の金融政策に与える影響についても投資家の関心は高い。

こうした見通しを背景に、ドルは主要通貨に対して全般に強含みとなった。欧州やアジアの市場では、米国の経済指標や政策動向を材料に為替取引が活発化する中、地政学的リスクと経済ファンダメンタルズの両方が相場の重石となっている。特にドル円相場については、ベネズエラをめぐるリスク要因や米長期金利の動向が注目されており、156円台後半を中心とした推移が予想されている。

一方で、ベネズエラ情勢が国際原油市場や新興国通貨に与える影響については引き続き警戒感が残る。原油相場はやや上昇傾向にあるものの、供給の安定性や地政学リスクの評価次第で変動しやすい状況が続いている。こうした不透明感は為替相場にも波及する可能性があり、投資家は米国データと国際情勢の両面を見極めながらポジションを構築している。

今週は米国の主要経済指標が相次いで発表されるため、市場の関心はこれらの結果が金融政策に与える影響に集約される見込みだ。ドル相場は地政学的リスクよりも米経済の強さやFRBの政策運営に反応する動きが一段と強まる可能性がある。

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