米国で「ウォシュレット」ブーム、ビデを最大限に活用する方法
医療専門家はビデの正しい使い方を理解することで効果を高め、潜在的な健康リスクを避けることができるとして具体的なポイントを挙げている。
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これまで米国では珍しい存在だった温水洗浄便座(ウォシュレット)が、衛生的で環境負荷の少ないトイレ習慣として近年広がりを見せている。新型コロナウイルスの流行期にトイレットペーパーが不足した経験が、ビデへの関心を高めたとみられ、環境意識の高まりや手頃な価格の装置、温水や乾燥機能を備えた「スマート」モデルの普及を後押ししている。ビデは単に便器に取り付ける簡素な装置から、温水洗浄・水圧調整・温風乾燥を備えた高機能一体型トイレまで様々なタイプがある。
医療専門家はビデの正しい使い方を理解することで効果を高め、潜在的な健康リスクを避けることができるとして具体的なポイントを挙げている。まず、ビデを使用する際は正しい姿勢を取ることが重要だ。ニューヨーク州の専門家は特に女性の場合、洗浄時に前方から後方へと水流が向かうように操作することで、肛門周囲の細菌が尿道へ移動するのを防げると指摘している。水の温度や水圧は低めで、数分程度の使用が推奨され、極端に熱いまたは冷たい水は避けるべきだという。連続的な内部噴射のような使用は腸洗浄や浣腸の代わりにはならず、そうした目的には適さないと述べている。洗浄後はトイレットペーパーや専用の綿製タオルで優しく水分を押さえて乾かすことが勧められている。
ビデのメンテナンスも重要で、カリフォルニア州の医師は、週に一度程度ノズル部分を消毒用ワイプなどで清掃し、細菌の付着を防ぐことを勧めている。日常的な使用は安全とされているが、過度な利用は皮膚の刺激を引き起こす可能性があるため、特に排便後に使うことが望ましいとされる。
ビデのメリットとしては、トイレットペーパーに比べて敏感な皮膚への刺激が少ない点が挙げられる。フロリダ州の泌尿器科医ジョージ・エリス(George Ellis)医師は、水流による洗浄は紙による拭き取りよりも柔らかく、かゆみや炎症を起こしにくいとしている。また、慢性的な下痢や頻繁な紙による擦過が必要な人、尿路感染症にかかりやすい人、痔核(じかく)や瘻孔(ろうこう)、裂肛(れっこう)による不快感の緩和にも有用との見方がある。さらに、身体的な制約がありトイレ後の清拭が困難な人にとっては、自立した衛生管理を助け介護者の負担を軽減する効果も期待されている。
ただし、ビデはすべての人に適しているわけではない。出産直後や性器潰瘍、皮膚炎、湿疹・乾癬(かんせん)などの皮膚疾患がある場合は、強い水流が刺激となることがあるため、使用前に医師に相談するよう専門家は勧めている。また、裂け目や痔核からの出血が続く場合は、より深刻な健康問題が潜んでいる可能性があるため、適切な診断を受けるべきだとしている。
環境面では、ビデはトイレットペーパーの使用量を大きく減らす可能性があるとされ、環境団体などから評価されている。ただし、水の使用量や装置製造に伴うエネルギー消費などを総合的に考慮したライフサイクル評価が必要との指摘もある。住む地域の水資源の状況によって、どちらが持続可能かの評価は異なるとしている。
