スポンサーリンク
▽3月以来、エルサルバドルは米国から300人近くのベネズエラ移民を受け入れている。
2025年3月31日/エルサルバドル、中部テコルカの刑務所(AP通信)

国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)のターク(Volker Turk)高等弁務官は13日、米国から強制送還された100人以上のベネズエラ人が中米エルサルバドルの巨大刑務所に収容され、人権侵害の可能性に直面しているという情報を入手したと明らかにした。

ターク氏は声明で、「トランプ米政権による強制送還でエルサルバドルに送られた少なくとも245人のベネズエラ人と約30人のエルサルバドル人の運命と行方は依然として不明である」と述べた。

トランプ政権は3月中旬、1798年に制定され、第2次世界大戦中に日系人の強制収容で使われたことで知られる敵性外国人法に基づき、ベネズエラのギャング「トレンデアラグア」の構成員とされる約250人をエルサルバドルの刑務所に送った。

3月末にはエルサルバドルのギャング「マラ・サルバトルチャ(通称MS-13)」のメンバーもエルサルバドルに強制送還した。

トランプ政権は送還した移民をギャングのメンバーと呼んでいるが、一部の親族はそれを否定している。

ターク氏は声明の中で、「この送還は合衆国憲法と国際法の両方に、基本的人権を含む、広範な権利に関する深刻な懸念を引き起こしている」と強調した。

またターク氏は「エルサルバドルに送還された人々は、効果的に自分たちの拘束・勾留に異議を唱えることができていない」と付け加えた。

さらに、「ベネズエラ政府は自国民の人権が侵害されているにもかかわらず、国連は十分な対応を取っていないと批判を繰り返すだけになっている」と批判した。

3月以来、エルサルバドルは米国から300人近くのベネズエラ移民を受け入れている。その中にトランプ政権が誤って送還したと認めたメリーランド州在住のガルシア(Kilmar Abrego Garcia)さんも含まれている。

トランプ(Donald Trump)大統領はこの送還をめぐり、複数の法廷闘争に直面している。

国務省は2月、トレンデアラグアやMS-13など、中南米の8つの麻薬組織を「外国テロ組織」に指定した。

アフィリエイト広告
スポンサーリンク