米民主党、国土安全保障省の予算案をホワイトハウスに提出、政府閉鎖続く
民主党側の主要目的は、DHSへの資金供給を条件に移民税関捜査局(ICE)などの執行機関に対する抜本的な改革を盛り込むことにある。
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米国で国土安全保障省(DHS)の予算をめぐる対立が続き、一部政府機関の閉鎖が4日目に入る中、民主党が17日、ホワイトハウスと共和党に新たな対案を提示した。民主党側の主要目的は、DHSへの資金供給を条件に移民税関捜査局(ICE)などの執行機関に対する抜本的な改革を盛り込むことにある。
提出された対案の具体的内容は公開されていないものの、民主党は予算と引き換えに複数の改革要求を掲げている。主な要求項目にはICEや税関・国境警備局(CBP)職員に対するボディカメラ着用の義務化、現場での捜査時における裁判所の令状を原則として必要とすること、そしてICE職員の顔を覆うマスクの禁止などが含まれている。これらはすべて連邦移民執行部隊の運用透明性と責任の強化を目的とするものだ。
対案提出を受けてホワイトハウスは、いまだ両者の溝が深く交渉は困難な状況にあると述べている。ホワイトハウス高官は17日、提案された内容について「依然として大きな隔たりがある」としつつも、協議の意欲はあると表明した。トランプ(Donald Trump)大統領も記者団に対し、「民主党と交渉の席に着く」と語ったが、具体的なスケジュールには言及しなかった。
この対立はDHS関連の予算期限が過ぎたことが発端で、運輸保安庁(TSA)、連邦緊急事態管理庁(FEMA)、沿岸警備隊などの重要機関の一部業務が停止または制限されている。多くの職員は業務を継続しているが、給与は支払われておらず、政府閉鎖の影響が労働環境や公共サービスに波及している。これらの影響はミネソタ州ミネアポリスでの連邦捜査官による発砲事件を受けてICEの行動に対する批判が強まったことから、民主党が改革を強く求める要因となっている。
民主党のシューマー(Chuck Schumer)上院院内総務は共和党の案を「十分な内容ではない」と批判し、より具体的な改革を要求している。一方、共和党とホワイトハウスは法執行機関の安全保障機能を維持する立場を堅持し、民主党の要求の一部に反対姿勢を示している。これにより交渉は難航し、議会が休会中であることも重なって、合意形成には時間がかかる見通しだ。
現時点では両党の溝は埋まっておらず、DHSの資金供給をめぐる部分的な政府閉鎖が継続している。民主党が求める包括的な改革と、共和党・ホワイトハウスが主張する執行機関の機能維持という対立軸は、今後の交渉を表面的な予算問題から制度改革の是非を問う政治闘争へと発展させつつある。
