米民主党、ICE改革「含まない」共和党の予算案を拒否、政府閉鎖へ
予算をめぐる期限は2月13日であり、合意が成立しなければ政府機関の一部が再び閉鎖されることになる。
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米連邦議会で国土安全保障省(DHS)の予算をめぐる交渉が難航する中、与野党の溝が深まっている。民主党は10日、移民税関捜査局(ICE)の権限制限や捜査運用の透明性強化を求める要求リストを提示したうえで、与党・共和党が示した対案を拒否したと発表した。予算をめぐる期限は2月13日であり、合意が成立しなければ政府機関の一部が再び閉鎖されることになる。
民主党のシューマー(Chuck Schumer)上院院内総務とジェフリーズ(Hakeem Jeffries)下院議員は週末に共和党側に提出した10項目の要求に基づく立法案の文言を提示した。これにはICEの捜査で司法発行の令状を原則とすること、ICE職員の身元確認義務付けや覆面禁止、ボディカメラ装着の義務化、新たな使用強制基準の設定などが含まれていた。これらは連邦移民捜査の透明性と市民権擁護の強化を狙ったもので、シューマー氏らは「極めて合理的な要求」としている。
しかし共和党側が示した対案は、具体的な法案の文言を欠いた概略にとどまり、民主党が求める詳細な規定を含んでいなかったとして、シューマー氏とジェフリーズ氏は「不十分で詳細が欠けている」として受け入れを拒否した。両議員は声明で「米国民がICEの無法な行動に抱く懸念に対処していない」と批判した。予算期限が迫るなか、共和党の上院院内総務は10日、記者団に対し、双方が非公開の協議を続けていることを強調しつつ、現段階では具体策について公の場で論争する時期ではないと述べた。
DHSの一部閉鎖が生じた場合、運輸保安庁(TSA)、沿岸警備隊、税関・国境警備局、シークレットサービス、サイバー・インフラ安全保障庁、連邦緊急事態管理庁(FEMA)などが運営停止の影響を受ける可能性がある。一方でICE自身の運用は、昨年成立した予算「OBBBA(One Big Beautiful Bill Act/大きく美しい一つの法)」による約750億ドルの別枠予算が確保されているため、当面は継続される見込みだ。
共和党はトランプ政権の移民政策の強化を支持し、ICEや関連機関の捜査能力を弱体化させるような制限には反対している。共和党議員は、民主党が提案するいくつかの項目について、「法執行の手を縛るものだ」と述べ、政権と共和党議員は独自の改革案を模索すると強調した。さらに、DHS資金の一時的延長を盛り込んだ「継続決議案(CR)」の早急な採決を求め、協議の時間を確保する必要性を訴えている。
一方、民主党はCRへの支持には消極的であり、要求が取り入れられない限り予算確保に賛成しない姿勢を崩さない。これにより、期限となる13日までに両党が妥協点を見いだせるかどうかは不透明な情勢にある。政府機関の閉鎖が現実となれば、国内の旅行や災害対応を含む多くの公共サービスに混乱が生じる可能性があるため、関係者は期限までの協議進展を注視している。
