◎判決は6月17日に言い渡される予定。
ワシントンD.C.の裁判所は22日、昨年1月6日の議会議事堂襲撃事件で連邦政府の敷地に不法侵入したニューメキシコ州のカウボーイに有罪評決を言い渡した。
判事は敷地への不法侵入を認める一方、暴動に関与したという検察の主張は退けた。
「トランプ・フォー・カウボーイ」の創設者で元ロデオ騎手のグリフィン被告は記者団に、「納得できない」と語った。
連邦地裁のマクファーデン判事は、「被告が立ち入り禁止区域にいることを知りながら敷地を離れなかったという十分な証拠がある」と評決の中で述べた。また被告は議会議事堂の敷地に入るまでに3つの壁を乗り越えており、それを越えるには他者の助けやはしごが必要だったと指摘した。
マクファーデン判事は、「これらの問題を考慮すると、普通の人はその区域に立ち入るべきではないと考えるだろう」と述べた。
またマクファーデン判事は被告が暴動に関与したという検察の主張について、「検察は被告が無秩序な行為に及んだことを証明できていない」と指摘した。
カウボーイ裁判はドナルド・トランプ前大統領の応援団が引き起こした暴動に関連する数百件の連邦訴訟のひとつであり、2番目にスタートした。
今月初め、判事はホルスター付き拳銃を持って議会議事堂に踏み込み、警察を妨害し、上下両院の合同会議を妨害した罪でテキサス州のレフィット被告に有罪を言い渡した。
グリフィン被告は敷地への不法侵入および、無秩序な暴動に関与した2つの軽犯罪で起訴された。最高刑はいずれも禁固1年。判決は6月17日に言い渡される予定である。
アイエンガー連邦検事補によると、グリフィン被告は金属製の自転車バリケードを乗り越え、ベニヤ板のスロープを登り、「選挙は盗まれた!」と群衆に向かって何度も叫んだという。「彼は障壁を乗り越え、非常に大きな声で群衆に叫んでいました...」
これに対しグリフィン被告の弁護団は、「被告は政治的見解を理由に起訴された」と主張した。
グリフィン被告は襲撃事件前の数年間、公職に就いていた。
カウボーイ裁判の争点はマイク・ペンス前副大統領が議会議事堂の敷地内にいるときに、被告が制限区域に入ったかどうかだった。
カウボーイ弁護団は、被告が制限区域内に入る前にペンス氏はすでに制限区域を離れていたと提出資料の中で述べているが、シークレットサービスはペンス氏は暴動中、制限区域から離れていないと証言している。
シークレットサービスによると、現地で対応した捜査官はペンス氏を議事堂事務所から議事堂地下の搬入口に連れて行ったという。その後、ペンス氏は上下両院の会議が始まる6日夜まで搬入口にとどまったと証言している。
検察によると、グリフィン被告は1月6日のトランプ集会「ストップ・ザ・スティール」に参加した後、議事堂西側テラス下部で建設中だったステージ(バイデン大統領の就任演説用)に入るため、障壁を越えたという。
検察は、警察が暴徒を鎮めるために唐辛子スプレーを使用した録画映像の中にグリフィン被告が映っていると説明した。
検察によると、グリフィン被告は映像の中で「ナパームの匂いが好きだ」と戦争映画「アポカリプス・ナウ」からの引用と思われる発言をしたという。またグリフィン被告は、「今日はアメリカにとって素晴らしい日」と叫び、「国民ももう十分だと言っている」と述べた。