◎共和党上院議員「この混乱から抜け出す最善の方法は、大統領が法案に署名することだ」
◎12月24日、トランプ大統領はフロリダ州でゴルフを満喫した。
2020年12月24日 AP/フロリダ州ウェストパームビーチ、トランプインターナショナルゴルフクラブ

COVID-19経済救済法案

COVID-19経済救済法案:9,000億ドル
2020年12月20日、上下両院の指導者が合意に達する

2020年12月21日、下院通過

2020年12月21日、上院通過

2020年12月22日、トランプ大統領、法案の修正を指示

・コロナ援助、救済、および経済安全保障法(CARES法):2.2兆ドル(230兆円)※2020年12月31日に失効
2019年7月下院通過

2020年3月25日上院通過

2020年3月27日下院、上院の修正に同意

2020年3月27日トランプ大統領署名

2020年12月3日 AP通信/ワシントンD.C.ホワイトハウス、トランプ大統領

12月24日、米上下両院の議員はスクランブル体制でコロナ救済法案(第2弾)の修正および今後の対応について話し合っているが、12月28日深夜のCARES法の閉鎖期限までに予算が成立するかどうかは不透明な情勢である。

トランプ大統領は22日の定例ツイートで、「市民への直接支払いを1人600ドルから2,000ドルに修正しない限り、法案には署名しない」と宣言した。

トランプ大統領に拒否された現在の法案は、年収75,000ドル未満の市民に600ドルを提供する。また、切望されていた中小企業向けのペイチェック保護プログラム(PPP)の復活、ワクチンの配布、検査、立ち退きモラトリアムの延長を可能にする。

この法案をめぐる上下両院の指導者の交渉期間は数カ月におよんだ。年末までに予算が成立しなければ、1,200万人以上が給付金を得られなくなり、立ち退きモラトリアムの失効で数百万人が立ち退きの危機に直面すると予想されている。

民主党のステニー・ホイヤー下院議員は記者団に対し、「私は皆がどのように前進するかを正確に決定するために、下院議長、民主党員と話す。私たちは市民を失望させるつもりはない」と述べた。

ステニー・ホイヤー下院議員:
「現在、下院民主党は別の新しいコロナ救済法案を検討し、ナンシー・ペロシ下院議長はスティーブン・ムニューシン財務長官と継続的に話し合っている」

2020年12月24日 EPA/ワシントンD.C.キャピトルヒル、ステニー・ホイヤー下院議員

民主党のデビー・ディングル下院議員は声明で、「大統領は市民への救済を却下し、キャンプファイヤーに灯油をぶちまけた!」と語った。

デビー・ディングル下院議員:
「大統領は数千万人の市民が恐れ、お腹を空かせていることを理解しなければならない。市民を助けるために法案を成立させなければならないと知ってほしい」

民主党と共和党議員は、トランプ大統領にそのまま黙って法案に署名するよう懇願している。

共和党のロイ・ブラント上院議員は、「大統領が法案に署名しない場合、予算の早期成立は困難になる。大統領は何をしたいのか...私には分からない」と述べた。

ロイ・ブラント上院議員:
「私たちは予算が閉鎖されないと信じている。大統領は署名することが最善の策だという結論に達する。私は信じている」

2020年12月15日 EPA/ワシントンD.C.キャピトルヒル、ロイ・ブラント上院議員

24日午前、民主党のホイヤー下院議員は上院議会で、1人2,000ドルの新たな救済法案に全会一致で同意するよう求めた。

しかし、この要求は上院リーダーのケビン・マッカーシー氏(共和党)の許可を得ていなかったため、拒否された。

一方、ナンシー・ペロシ下院議長はトランプ大統領の修正指示に従い、新たな単独法案を完成させたうえで12月28日に下院投票を行うと発表した

ペロシ下院議長は声明の中で、「大統領は12月28日までに超党派および上下両院が可決した法案に署名しているだろう」と述べた。

共和党は以前、民主党が提案した1人2,000ドルの直接支払いを却下しており、一部の共和党議員はトランプ大統領の指示でも反対すると主張している。

ブラント上院議員は、「ここにたどり着くまでに数カ月かかった。1人2,000ドルの法案を再開するのは間違いだと思う」と述べた。

同日、コロナ救済法案と国防授権法(NDAA)を打ち負かしたトランプ大統領は、フロリダ州でゴルフを満喫した。ホワイトハウスは声明で、「トランプ大統領は市民のためにたゆまぬ努力を続けます。彼のスケジュールには多くの会議や電話が含まれています」と述べた。

予算の内訳

救済法案の内訳(抜粋)は次の通り。なお、民主党が強く求めていた「州および地方政府への支援」はカットされた。

・大人と子供1人あたり最大600ドルの直接支払い
※トランプ大統領は1人2,000ドルの直接支払いを求めている

・中小企業への支援 ペイチェック保護プログラム(PPP):2840億ドル以上
※トランプ大統領、予算が不足していると指摘

・ライブ会場、独立した映画館、文化施設などへの支援:150億ドル

・失業手当:週300ドル

・立ち退きモラトリアム延長:250億ドル

・学校や大学などの教育機関への支援:820億ドル

・育児支援:100億ドル

・栄養支援プログラム:130億ドル

・リモート接続およびブロードバンドアクセス強化:70億ドル

・コロナウイルスワクチンの輸送費:80億ドル

・コロナウイルスワクチンの接種費用(市民への無料配布):200億ドル

・航空業界への支援:450億ドル
(空港に20億ドル、アムトラックに10億ドル、航空会社に160億ドル、その他)

・有給の病気休暇を提供する雇用主への支援:税額控除

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