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あのドレッサーをキッチンキャビネットに改造できる?古い家具をアップサイクルする技術

アップサイクルは単に物を捨てずに済ませるだけでなく、個性的でサステナブルな暮らしを実現する新たな手段として、多くの家庭やデザイナーに支持されている。
キッチンのイメージ(Getty Images)

古い家具を新たな用途に生まれ変わらせる「アップサイクル」の動きが、環境意識の高まりや独自性を求める人々の間で注目を集めている。不要になったサイドボードやドレッサー、トランクなどの家具を単に修復するだけでなく、キッチンキャビネットやメディアコンソール、ベッドサイドテーブルなど別の機能を持つインテリアとして再構想する事例が増えている。

アップサイクルが広がる背景には、持続可能性やコスト、見た目の魅力、思い出の価値といった複数の要素がある。古い家具の多くは堅牢な木材や精巧な接合、独特の塗装が施されており、単なる新しい家具では得られない風合いや味わいが残されている。こうした点が評価され、単なるリサイクルではなく再利用への関心を高めている。

米ナッシュビルのインテリアデザイナーは、古いフレンチテーブルに石製シンクを載せてパウダールーム用に仕立てたり、自宅のバンブーキャビネットに大理石の天板を取り付けたりするなど、アップサイクルの実践例を紹介している。このデザイナーは、「古い家具の経年変化や独特の風合いは新しい家具では再現が難しく、特別な存在感を持つ」と指摘する。

ペンシルベニア州のアーティスト、ジェシー・トリスタン・リード氏は、ドレッサーをシックなキッチンキャビネットに変える例を好むと語る。「アンティークやビンテージの引き出し付き家具をキッチンに取り入れると、温かみと収納力が同時に得られる」とし、調理器具やリネン、鍋などの保管場所としての活用を提案する。

古家具を選ぶ際のポイントとして、オンラインマーケット「Chairish」は、採寸や背景の調査の重要性を強調する。サイズが適合しない家具は魅力が半減するうえ、日焼け跡や水シミ、煙などのダメージは修復費用を押し上げることがあるため注意が必要だと指摘する。また、MDF(中密度繊維板)やラミネート製の安価な家具はアップサイクルに向かないという。

アップサイクルの方法は大規模な改造から小さな工夫まで幅広い。引き出しや棚を除去して内部を開放したり、脚を交換したりする大掛かりな改造のほか、取っ手を交換するだけで外観を一新する簡易な手法もある。ドレッサーにカッティングボードや大理石の天板を載せ、キッチンアイランドとして機能を持たせる例もあるが、バスルーム用キャビネットへの転用は配管工事が必要になるため費用面で割高になるとの警告もある。

その他のアップサイクル例では、古い郵便局や店舗のキャビネットを文房具やおもちゃの収納に、帽子箱をアクセサリー用の壁掛け収納に、古いテレビキャビネットをコーヒーステーションや工芸用品のクローゼットにするなど、多彩な創意工夫が見られる。家具の高さが低い場合は脚を追加して調整する方法も紹介されている。

家具以外でも、使い古したラグやテキスタイルをフレームに入れてアート作品に仕立てる取り組みも広がっている。アンティークの生地片を刺繍フープにセットし、独自のアートとして飾る手法は、歴史を感じさせるインテリアアクセントとして人気を集めている。

アップサイクルは単に物を捨てずに済ませるだけでなく、個性的でサステナブルな暮らしを実現する新たな手段として、多くの家庭やデザイナーに支持されている。

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