コーントルティーヤに「葉酸」、米加州で添加義務付け、他州も追随
この法律は2026年1月に発効し、トルティーヤの原料であるコーンマサ粉にビタミンB群の一種である葉酸を加えることを食品メーカーに求めるものだ。
.jpg)
米カリフォルニア州でトウモロコシ製トルティーヤに「葉酸」を添加することを義務付ける新たな法律が施行された。ラテン系住民の間で発生率が高い先天性障害の予防を目的とした措置であり、同様の動きは他州にも広がりつつある。
この法律は2026年1月に発効し、トルティーヤの原料であるコーンマサ粉にビタミンB群の一種である葉酸を加えることを食品メーカーに求めるものだ。葉酸は妊娠初期に十分摂取されることで、二分脊椎や無脳症といった神経管閉鎖障害のリスクを大幅に低減できることが知られている。1998年には米国で小麦粉製品への葉酸添加が義務化され、これにより同種の先天異常は約3割減少し、年間約1300件の発症が防がれたとされる。
しかし、ラテン系住民の主食であるコーンマサ製品はこの義務の対象外であったため、恩恵が十分に行き渡らなかった。その結果、ラテン系の新生児では依然として神経管閉鎖障害の発生率が高い状態が続いていた。さらに、妊娠前に葉酸を摂取している割合も他の人種に比べ低いことが指摘されている。
こうした背景から、日常的に消費されるトルティーヤに葉酸を加えることで、より広範な予防効果を狙う。疾病対策センター(CDC)などの専門家は、葉酸強化は安全で費用対効果も高い公衆衛生対策であると評価している。一方で、食品への栄養素添加を政府の過剰介入とみなす批判もあり、議論は続いている。
すでに一部の大手メーカーは自主的に葉酸添加を進めており、新法はこうした動きを制度として後押しする形となる。対象は主に商業製品で、レストランなどの小規模事業者は除外される。
また、この取り組みはカリフォルニア州にとどまらない。アラバマ州では同様の法律が2026年6月に施行予定で、フロリダ州やジョージア州、オクラホマ州、オレゴン州などでも法案の検討が進んでいる。さらに複数の州が関心を示し、全米的な広がりを見せる可能性がある。
専門家は、妊娠の約半数が計画外である現状を踏まえ、食品を通じた葉酸摂取の重要性を強調する。日常食に栄養強化を組み込む今回の施策は、特定のコミュニティに根差した健康格差の是正を目指す新たな公衆衛生モデルとして注目されている。
