米東部の大規模洋上風力発電プロジェクト完了、トランプ政権下で初
最後のブレードの設置作業が14日夜に終了し、海上での建設工程がすべて完了した。
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米東部マサチューセッツ州沖で建設が進められてきた大規模洋上風力発電所「Vineyard Wind(ヴィンヤード・ウィンド)」の建設が完了した。地元メディアが14日に報じた。それによると、第2次トランプ政権下で洋上風力発電プロジェクトが完成したのは初めて。
工事はスペイン系電力会社アバングリッドとデンマーク系投資会社コペンハーゲン・インフラストラクチャー・パートナーズが担当。最後のブレードの設置作業が14日夜に終了し、海上での建設工程がすべて完了した。現場はマサチューセッツ州のマーサズ・ビニヤード島およびナンタケット島の南方約24キロの海域。
同施設は計62基の風力タービンで構成され、総発電容量は約800メガワット。最大出力時には約40万世帯分の電力を供給できる規模とされ、米国の再生可能エネルギー拡大において重要な役割を担うと期待されている。
このプロジェクトは2017年に計画が示され、バイデン政権が2021年に最終的な連邦承認を与えたことで建設が始まった。しかし、トランプ(Donald Trump)大統領は風力発電に否定的な姿勢を示し、2025年末には国家安全保障上の懸念を理由に、東海岸で進められていた複数の洋上風力プロジェクトを一時停止させていた。
これに対し、事業者や州政府などが提訴し、連邦裁判所は「差し迫った安全保障上の危険が十分に示されていない」として工事再開を認めた。こうした法廷闘争を経て建設が再開され、今回の完成に至った。
ヴィンヤード・ウィンドはすでに一部タービンから電力供給を開始し、段階的に発電量を拡大してきた。マサチューセッツ州当局は電力需要の増加への対応や温室効果ガス削減目標の達成、さらに地域の雇用創出にも寄与するとしてプロジェクトの意義を強調している。
一方で、同プロジェクトをめぐっては2024年に風車ブレードの破損事故が発生し、破片がナンタケット島の海岸に漂着した。製造企業は地元事業者に対し、総額1050万ドルの和解金を支払うことで合意している。
米国では2016年にロードアイランド州沖で小規模な洋上風力発電所が稼働したが、今回のような大規模商業プロジェクトは比較的新しい分野である。今回の完成は政治的対立や訴訟を乗り越えた象徴的な事例として、今後の米国の洋上風力開発の行方にも影響を与える可能性がある。
