◎トランプ氏は自身のSNSで待望の新刊を「でっち上げ」と批判し、「事実確認ゼロの作り話が多数含まれている」と主張した。
ニューヨーク・タイムズ紙のジャーナリスト、ハバーマン(Maggie Haberman)氏の待望の新刊「コンフィデンスマン(Confidence Man)」に注目が集まっている。発売日は10月4日、全米の書店とオンラインストアで購入できる。
本書はトランプ(Donald Trump)前大統領がニューヨークの実業家だった時代から、大統領就任後の生活をまとめたものであり、トランプ氏本人と元側近を含む200人以上のインタビューなども掲載している。
しかし、トランプ氏は自身のSNSで待望の新刊を「でっち上げ」と批判し、「事実確認ゼロの作り話が多数含まれている」と主張した。
コンフィデンスマンで明らかになったトランプ氏の伝説の一部は以下のとおりである。
▽トランプ氏は娘のイヴァンカ氏とジャレッド・クシュナー氏を解雇したがっていた
トランプ氏は娘のイヴァンカ(Ivanka Trump)氏と義理の息子クシュナー(Jared Kushner)氏(ともにホワイトハウス上級顧問)が辞職するとツイートしようとしていた。
しかし、2人はトランプ氏が退任するまで側近にとどまった。
トランプ氏は夫妻を解雇したいと考えたことはないと説明している。「フィクションです。頭によぎったこともありません」
▽トランプ氏はメキシコの麻薬関連施設を空爆したかった
トランプ氏はメキシコの麻薬関連施設を爆撃できないかと、エスパー(Mark Esper)国防長官に提案し、驚かせた。
▽トランプ氏はコロナウイルスで死ぬことを恐れていた
トロンプ氏は2020年10月にコロナに感染した際、ホワイトハウスで病状が悪化し、死ぬことを恐れていた。
トランプ氏はコロナやマスクが自分のイメージに悪影響を与えると懸念し、コロナを何度も軽視していた。
トランプ氏は側近にマスクを外すよう求めたり、ニューヨーク州のクオモ(Andrew Cuomo)知事にテレビでコロナの話をしないよう助言したりしたそうだ。トランプ氏はクオモ氏に「大騒ぎするな」と言ったと本書は伝えている。
▽トランプ氏は側近のジュリアーニ氏に2020年大統領選の結果を覆すために「何でもしてくれ」と頼んだ
トランプ氏は選挙でバイデン(Joe Biden)氏に敗れることが明らかになったとき、元ニューヨーク市長で個人弁護士のジュリアーニ(Rudy Giuliani)氏に電話をかけた。「よし、ルディ。おまえが責任者だ。ワイルドに、やりたいことをやってくれ。わたしは気にしない」
ハバーマン氏によると、トランプ氏はジュリアーニ氏に「私の弁護士はひどい」と言ったという。
▽トランプ氏はその場で税金の言い訳を思いついた
2016年の選挙運動中、トランプ氏は選挙責任者と広報担当から問題視されていた納税申告書の公開拒否について問われた。
トランプ氏は突然思いついたようにこう答えた。「私の納税申告書は監査中で、いつも監査を受けている。これでいこう」
「つまり、監査が終わったら公開すると言えばいいのではないか。監査が終わることはないのだから」
2020年にニューヨーク・タイムズが公開したデータによると、億万長者のトランプ氏は大統領になった年に750ドルの連邦所得税を支払っていた。
▽トランプ氏はホワイトハウスのトイレに書類を流した
トランプ氏が在任中、ホワイトハウスの職員はトイレにメモや書類が詰まっているのを何度も発見し、大統領が書類を流したと信じていた。
トランプ氏は大統領記録法(大統領が作成または受領した文書は米政府の財産であり、大統領職から退いた後は国立公文書館で保管する必要がある)に反して、メモや文書をいくつもトイレに流したとされる。
この問題は国立公文書館が提起したトランプ氏の文書紛失疑惑の中で明らかにされた。また、トランプ氏は退任後、フロリダ州の豪邸マー・ア・ラゴに大統領時代の書類やメモを保管していたとして、司法省の捜査を受けている。
▽トランプ氏はホワイトハウス職員をウェイターと勘違いした
2017年の就任直後、トランプ氏は人種的に多様なオバマ(Barack Obama)元大統領のホワイトハウス職員に向かって「カナッペ(一口大に切った食パンやクラッカーなどにチーズや野菜などをのせた料理)」を取ってくるように頼み、彼らをウェイターと勘違いしたとされる。
またトランプ氏は民主党のシューマー(Chuck Schumer)上院議員とペロシ(Nancy Pelosi)下院議員のスタッフに対しても同様の発言をしたという。
ハバーマン氏はトランプ氏が発したとされる同性愛嫌悪も詳述している。