米国の45~49歳「大腸がん検診」受診率が低迷 2026年
若年の大腸がん患者は診断までに時間がかかるケースが多く、症状が痔など他の良性疾患と誤認されることも少なくない。
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米国における「大腸がん」検診の現状について、45~49歳の成人で検診受診率が低迷している一方で、同年齢層の発症率と死亡率が上昇していることが最新の報告で明らかになった。これは大腸がんに対する検診開始年齢を引き下げたにもかかわらず、検診が十分に行われていない実態を反映している。
全体として大腸がんの罹患率は過去数十年間で減少傾向にあったが、新たに公表された米国がん協会(American Cancer Society, ACS)の2026年報告によると、若年層においてはその傾向が一変しているという。特に直腸がんの発症率は近年、年1%の割合で増加しており、50歳未満の成人では大腸がんによる死亡率も2000年代半ば以降、年約1%ずつ上昇している。こうした現象について研究者は、「出生コホート効果」として、1950年代以降に生まれた世代はそれ以前の世代に比べて大腸がんの潜在的リスクが高い可能性があると指摘している。
増加が顕著なのは大腸の下部、特に直腸に近い領域であり、これは従来世代で比較的多かった小腸近くの上部結腸における発がんとは異なる特徴を示している。医療専門家は、直腸に溜まる便中の細菌密度が高いことなどがリスク要因になり得るとの見方を示す。また肥満、座りがちな生活、アルコール消費、加工食品中心の食事などの生活習慣が若年層のリスク上昇に寄与している可能性も指摘されている。
米国予防医療専門家部会(U.S. Preventive Services Task Force)と米国がん協会は、平均リスクの成人に対する大腸がん検診開始年齢を従来の50歳から45歳に引き下げた。しかし今回の報告では、45~49歳の成人のうち、最新の推奨に基づいて検診を受けている者は全体の3分の1にとどまっていることが示された。このため専門家は、特に若年層における検診受診率の向上が急務であると強調する。
若年の大腸がん患者は診断までに時間がかかるケースが多く、症状が痔など他の良性疾患と誤認されることも少なくない。このため実際の診断に至るまでに複数の医師を受診するケースもあるとされ、医療現場では早期発見のための症状の認識と適切な検査の促進が課題となっている。
警告されている主な症状には、直腸出血、排便習慣の変化、腹痛、鉄欠乏性貧血、原因不明の体重減少などがあり、これらが続く場合は医師と相談すべきだとしている。また家族歴がある場合は45歳以前の検診開始も検討されるべきだと専門家は付言している。
