米国で若年層の「大腸がん」増加、50歳未満の死因トップに
米国では特に50歳未満の成人において大腸がんが増加傾向にあり、最近の統計ではこの年齢層で死亡原因のトップとなりつつある。
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米国内において、「大腸がん」が高齢者だけでなく、若年層でも増加していることが明らかになっている。米国では特に50歳未満の成人において大腸がんが増加傾向にあり、最近の統計ではこの年齢層で死亡原因のトップとなりつつある。
俳優のジェームズ・ヴァン・ダー・ビーク(James Van Der Beek)さんが48歳で大腸がんで亡くなったことや、数年前にチャドウィック・ボーズマン(Chadwick Boseman)さんが43歳で同じ病気で亡くなったことは、この傾向を象徴する出来事といえる。これらの事例は若年層でも大腸がんのリスクが無視できないことを社会に再認識させた。
大腸がんは結腸や直腸に発生するがんで、米国がん協会の予測では年間15万8000件以上の新規診断がある。全体では肺がんに次いで2番目に多いがん死の原因であるものの、50歳以上では検診の普及などにより死亡率は減少傾向にある。一方で20代、30代、40代の若年成人では診断例と死亡率の両方が増加しており、2005年以降、50歳未満の死亡率は年平均約1.1%増加している。
若年者の大腸がんリスクは依然として高齢者ほど高くはないが、増加傾向が続いていることから医療界は警戒を強めている。一般的なリスク要因としては肥満、運動不足、赤肉や加工肉中心の食事、果物・野菜の不足、喫煙、過度のアルコール摂取、炎症性腸疾患、家族歴などが挙げられる。ただし、若い患者の多くがこうした典型的リスク因子を持たない場合もあり、腸内細菌の変化など他の要因が関与している可能性も指摘されている。
大腸がんの典型的な症状には便に血が混じる、直腸出血、下痢や便秘などの排便習慣の変化、腹痛、原因不明の体重減少などがある。これらの症状は必ずしも大腸がんであることを示すものではないが、続く場合は医療機関での診察が推奨される。早期発見が治療成功の鍵であり、初期段階で発見できれば根治率は高くなると専門家は指摘している。
大腸がん検診については、従来のガイドラインでは平均リスクの成人は45歳からの検査開始が推奨されている。しかし、若年層のリスク増加を受けて、リスクの高い人はそれより早期に検査を始めるべきだという意見が増えている。検査方法には便潜血検査のような簡便なものから、10年に1回程度の大腸鏡検査、さらには血液検査など多様な選択肢がある。
医療専門家は若年層における大腸がんの増加という現象を「深刻な公衆衛生上の問題」と評価し、リスク因子の理解と早期検診の普及が重要だと強調している。特に若い年齢で症状が出た場合には、それを見過ごさずに専門医の診断を受けることが生存率向上につながる。
