異なる世代の同僚が互いに指導し合う、職場での誤解を解消
少なくとも5つの世代が同時に働く現在の労働環境では、メディアの消費方法やコミュニケーションスタイル、仕事へのアプローチが世代ごとに大きく異なり、摩擦や誤解が生じやすいとされる。
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米国の職場で異なる世代の同僚同士が互いに指導し合い、誤解やコミュニケーションギャップを減らす取り組みが広がっている。少なくとも5つの世代が同時に働く現在の労働環境では、メディアの消費方法やコミュニケーションスタイル、仕事へのアプローチが世代ごとに大きく異なり、摩擦や誤解が生じやすいとされる。こうした世代間の違いを単なる障壁ではなく職場の強みとして活用する企業が増えている。
フロリダ州の広報会社オコネル&ゴールドバーグでは、バーバラ・ゴールドバーグ(Barbara Goldberg)CEOが日々新聞の束を持参するなど、伝統的な情報収集法を重視しているが、若いZ世代の社員はオンラインやSNSを通じてトレンドを把握している。この違いは月曜日の定例ミーティングで顕著になり、当初ニュースの影響について話し合うはずが、デジタル用語やミームの話題が中心になることもあるという。ゴールドバーグ氏は最初、その話題について理解が追いつかなかったが、若い同僚の話を受け入れることで「今の文化的な会話」を理解する必要性を感じたと語っている。
多くの企業はこのような世代差を克服する手段として「リバースメンタリング(逆メンタリング)」制度を導入している。これは従来のメンターが年長者で若手に助言する形式とは逆に、若手がデジタル技術や最新トレンドを年長の同僚に教える仕組みだ。年齢や経験の違いを超えて互いの強みを学び合うことで、職場の相互理解と尊重を促進する狙いがある。
大手化粧品企業エスティー・ローダーは10年前にこのプログラムを世界規模で開始し、現在約1200人が参加している。ミレニアル世代やZ世代の若手がベビーブーマー世代の管理職とペアを組み、最初に世代間の語彙クイズなどのアイスブレイク活動を行う。若手が使う「living rent-free in your head(頭から離れない)」といった表現を年長者に教え、実際の文脈や意味を理解させる試みが行われている。
リバースメンタリングは業界や職種を問わず効果を上げている。ペンシルベニア州のホテルでは81歳の経営者が大学のレスリング選手を迎えて経営ノウハウを教える一方、若い世代からインスタグラムやユーチューブを使ったマーケティング戦略を学んだ。結果として集客と販売促進に好影響が出ているという。
医療分野でも、ハーバードの医療センターのような大規模な医療グループが、異なる世代間でコミュニケーションスタイルや新システムの習得を支援する取り組みを行っている。専門家は成熟した医師が長文のメールを好む一方、若い世代は短いテキストやチャットを好むなど、世代ごとの違いを理解することが効率的なコミュニケーションに繋がると指摘している。
また、リバースメンタリングは人材の継承にも寄与している。医療機器メーカーのアボットでは、退職を控えた専門技術者が若いエンジニアと共に働き、自身の長年の知識を伝える一方、若手からはグループチャットや絵文字の意味などデジタルコミュニケーションを学んでいる。
こうした取り組みは世代間のステレオタイプを取り除き、すべての労働者が成長し貢献できる環境づくりに繋がるとして、専門家からも支持を受けている。
