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米国の電気料金高騰、中間選挙に影響か、気候活動家が指摘

米国の電気料金は上昇傾向にあり、2025年1月の全国平均は1キロワット時当たり15.94セントだったが、9月には18.07セントまで上昇した。10月にはやや下がったものの、前年同期比で約12.8%の大幅な増加となっている。
米バーモント州リプトン(AP通信)

気候変動問題に長年取り組んできた米国の活動家が、電気料金の高騰とトランプ(Donald Trump)大統領のグリーンエネルギーへの攻撃が共和党に打撃を与える可能性があるとの見通しを示している。これは2026年中間選挙に影響を及ぼすとの予測である。

バーモント州リプトンの自宅でソーラーパネルを設置した気候活動家のビル・マッキベン(Bill McKibben)氏は、太陽光発電が過去25年間にわたって自宅に安価な電力をもたらしてきたと指摘し、この経済的利点にもかかわらず、トランプ政権による環境規制の撤回と化石燃料重視の政策が進むことで、米国内の電力コストが上昇していると述べた。

マッキベン氏は、バイデン政権やオバマ政権が太陽光や風力などの再生可能エネルギーを支援してきたのに対し、トランプ政権はこれらの支援を縮小し、古い化石燃料に依存する政策へと転換していると批判した。例えば、洋上風力発電の大規模プロジェクトが凍結されたり、家庭用ソーラーパネル設置の連邦税控除が2025年末に期限切れとなったことが挙げられる。

こうした政策転換の結果、米国の電気料金は上昇傾向にあり、2025年1月の全国平均は1キロワット時当たり15.94セントだったが、9月には18.07セントまで上昇した。10月にはやや下がったものの、前年同期比で約12.8%の大幅な増加となっている。メリーランド州、ニュージャージー州、メイン州などでは全国平均の3倍の速度で電気料金が上昇している地域もあるとの統計が示されている。

マッキベン氏はこの状況について、「電気料金は2026年の選挙にとって、2024大統領選における卵価格と同じような影響を与えるだろう」とし、生活必需品のコスト上昇が有権者の政治意識に強く働きかけると述べた。

民主党側もトランプ政権のエネルギー政策を批判している。連邦議会の民主党議員は、トランプ氏が再生可能エネルギーの普及を阻むことでエネルギー価格を押し上げていると非難し、「国民が必要とする電力価格を意図的に引き上げている」と批判する声が上がっている。

一方で、世界的には太陽光や風力の価格が化石燃料よりも安価になりつつあるとの国連の報告がある。中国は再生可能エネルギー技術で世界をリードし、電気自動車の販売でも主要企業が競争力を強めている。マッキベン氏は、米国がこうしたグローバルな競争に遅れを取ることを懸念し、再生可能エネルギーへの投資と政策の強化が必要だと訴えた。

自身の自宅にも新たなプラグイン型ソーラーパネルを導入したマッキベン氏は、簡便な再生可能エネルギー技術の普及が米国でも進むべきだと強調し、複雑な許認可制度の簡素化など改革を求めた。またオーストラリアなどの例を挙げ、より多くの国民が安価でクリーンな電力を利用できる環境が築かれるべきだと述べた。

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