◎現地メディアによると、大統領や副大統領は強力なセキュリティ対策を施した専用の回線を使用するため、そこから情報が抜き取られる可能性は極めて低いという。
トランプ(Donald Trump)前米大統領とそのランニングメイトであるJ・D・バンス(JD Vance)上院議員の携帯電話がハッキングを受けた可能性があるという報道を受け、連邦捜査局(FBI)が25日、調査を開始したことを認めた。
ニューヨーク・タイムズ紙によると、中国のハッカーがトランプ氏とバンス氏本人、そして民主党のハリス(Kamala Harris)副大統領の選挙関係者が使用していた携帯電話を標的にしたとみられる。
同紙は複数の関係者の話しを引用し、「ハッカーは携帯電話プロバイダーである米通信大手ベライゾン・コミュニケーションズのネットワークを盗聴しており、捜査当局は通話が傍受されたり、情報が抜き取られていないか調べている」と伝えている。
AP通信によると、ハリス陣営はハッキングの標的になったことを認識しており、当局の調査に協力しているという。
FBIと国土安全保障省のサイバーセキュリティ・インフラセキュリティ庁(CISA)は25日の共同声明で、「米政府は中華人民共和国関係者による国の通信インフラへの不正アクセスを調査している」と述べた。
また両機関は「この脅威に対処するため、米政府全体の機関が協力し、商業通信セクター全体のサイバー防御を強化するために、業界パートナーと連携している」とした。
ベライゾン社も声明を出し、「米国の通信事業者を標的とし、情報を収集しようとする巧妙な試みを認識している」と述べた。
ニューヨーク・タイムズ紙によると、トランプ陣営は今週、ベライゾンの電話システムに侵入して電話番号が狙われた数人の中に、トランプ氏とバンス氏が含まれていることを知らされたという。
ハリス陣営はまだこの報道に関するコメントを出していない。
現地メディアによると、大統領や副大統領は強力なセキュリティ対策を施した専用の回線を使用するため、そこから情報が抜き取られる可能性は極めて低いという。
しかし、仮に選挙関係者の携帯がハッキングにあったり、乗っ取られたりすると、そこから政府高官の番号や機密情報が漏洩する可能性もゼロではないという。