◎カナダと中国の関係は冷え切っており、2018年のファーウェイ幹部逮捕で最高潮に達した。
中国外交部は9日、カナダ政府が中国領事館の外交官に国外退去を命じたことの報復として、駐カナダ外交官に退去を命じたと明らかにした。
外交部の報道官は声明で、「中国はカナダ政府の不謹慎な動きに断固反対する」と述べたが、それ以上の詳細は明らかにしなかった。
それによると、上海の外交官は5月13日までに退去するよう求められたという。
在中国・カナダ大使館は今のところコメントを出していない。
カナダのトルドー(Justin Trudeau)首相は自身のSNSに声明を投稿。「中国の決定が報復であることを理解しているが、我々は脅迫に屈しない」と非難した。「私たちはこれからも我が国を外国の干渉から守るために必要なあらゆる措置を取り続けます...」
トルドー政権は今週、中国のスパイ機関が香港の野党議員とその親族を脅迫する計画に関与したとして、中国外交官をペルソナ・ノン・グラータ(好ましからざる人物)に指定。国外退去を命じた。
カナダ放送協会(CBC)は政府関係者の話しとして、「外交官は5日以内に出国する必要がある」と伝えた。この外交官が出国したか否かは明らかになっていない。
カナダ外務省は声明で、「我々は外国の干渉を容認しない」と述べている。
カナダと中国の関係は冷え切っており、2018年のファーウェイ幹部逮捕で最高潮に達した。
カナダは米国の要請に基づき、ファーウェイの孟晩舟(Meng Wanzhou)氏を逮捕し、中国はこの報復としてカナダ人起業家スペーバー(Michael Spavor)氏と元外交官のコブリグ(Michael Kovrig)氏を逮捕、起訴した。3人はいずれも解放され、帰国している。